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Sat, 24 Nov 2007

Affero GPL v3、登場

Posted at 02:04 in オープンソース::lisence

Affero GPL v.3がリリースされました。突然のニュースで全然知らない情報だったので、調べてみました。

GPLv3には「Webサービスを提供した場合には、そのソースコードをダウンロード可能に」とかいう条項があるという情報が飛び交っていたんだけれど、正式リリース版ではそれがどこかよく分からなかったので、どーなったんだろうかなぁと思っていたのでした。結論は、GPLv3には、それに該当する条項はない…。

Affero.comっていうのは、各種Webサービス(Webメール、ブログ、掲示板、メーリングリスト)を寄付機能といっしょに提供するサービス(たぶん。百式に少し解説があります)。

で、そこがこれまでAffero GPLv2というのを提供していました。これは、FSFの許可を得て作られたGPLv2の改良版だそうです。GPLが適用されたプログラムをWebサービスと提供するとき、そのソースコードも提供することになるとかなんとかいう条項を付け加えてあったという。

GPLv2をベースにしたAffero GPLは、2002年に登場していました。OSIのオープンソースライセンス一覧には入っていませんね。

FSFの「さまざまなライセンスとそれらについての解説」によると、Affero GPLv2は、GPLv2とこんな違いがあるそうです。

Affero 一般公衆利用許諾契約書 (Affero General Public License)

Affero 一般公衆利用許諾契約書はフリーソフトウェアライセンスで、コピーレフトを主張し、かつ GNU GPL とは矛盾します。このライセンスは GNU GPL バージョン 2 に加え、Affero が FSF の 承認を得て追加した一つの付加的条項から構成されています。新しい条項 2(d) では、ウェブサービスやコンピュータネットワークを介したアプリケーションプログラムの頒布を保護していますが、この条項 2(d) のために、Affero GPL は GNU GPL バージョン 2 と矛盾します。しかし、この条項は私たち FSF が GNU GPL バージョン 3 を Affero GPL の上位互換にできるよう書かれていますので、私たちは Affero に GNU GPL をこのような形で改変する許可を与えることにしました。

さて、同様の条項は、GPLv3でも盛り込まれるという話があったんだそうです。八田さんによる「GPLv3 Conferenceリポート1: 現実的な理想主義」には、こんな箇所があります。

個人的に関心があったのは、現行のGPL2に存在する「抜け穴」をどのように塞ぐのかということだった。たとえば有名なGPL2の抜け穴として、 "software performing remote service" loopholeと呼ばれるものがある。これは、「ネットワーク上のサーバでソフトウェアを実行し、なんらかのサービスを提供する」というような利用形態においては、ソフトウェア自体の「頒布」が発生しないのでGPL2の条項がうまく機能しないという問題だ。典型的には、GPLが適用されたウェブ日記システムがあったとして、それによる日記サービスを提供する企業のことを考えてみてほしい。こういった企業がウェブ日記システムに改変を加えても、ソフトウェアの頒布が発生しないので改変した部分のソースコードを公開する必要はないのである。かつてはハードウェアやネットワーク的な制約によってこの種のものはあまり一般的ではなかったのだが、現在では非常にポピュラーな形態といっても過言ではない(たとえばAjaxを用いたウェブアプリケーションなどもこれに該当するだろう)。この問題についてはすでにさまざまな議論があり、一部でGPLv3のプロトタイプと目されていたAffero GPLにもこの抜け穴を塞ぐための条項が盛り込まれていた(第2項d)が、下手をするとライセンス間の互換性が損なわれてしまう恐れもあった。そこで今回の GPLv3第一ドラフトでは、ソースコードの公開を無条件で義務付けはしないものの、ソフトウェア作者が上記のような形態をとる改変者に対してソース公開を求めやすくできるような選択肢(mustではなくmay require)を設けるということで落ち着いたようである(ぱっと見には分かりにくいと思うが、今筆者が述べたことを頭においてAffero GPLの第2項dと比較しつつドラフト第7項dを読んでみて欲しい)。これは、現在すでに自由なソフトウェアを用いたビジネスを展開している企業などには極力影響がでないようにする、という「Do No Harm」(Rationale 1.1)の原則から導かれた結論であろう。じゃあDRMはどうなんだ、という話にもなるわけだが…。この他にも、第7項には従来Guileのライセンスのように「GPL+例外規定」というような形で逃げることが多かったライセンス間の互換性の問題に、より整合的な解決策を与えようとするいくつかの選択肢が含まれており、今後のGPLv3にまつわる議論のひとつの焦点となっていくのではないかと思う。

GPLv3 Conferenceリポート1: 現実的な理想主義

当初のドラフトでも、「Webサービス化した場合も必ずソースコードを公開しなければならない」という訳ではなかったみたいですね。

でも、結局それは見送られてしまいました。GPLv3には、こんな条項が入っています

13. GNU Affero 一般公衆利用許諾書との利用

本許諾書に含まれる他の条件に関わらず、あなたには、『保護された作品』を GNU Affero 一般公衆利用許諾書バージョン3の下で許諾された作品とリンクまたは結合して単一の結合物とし、その結果物を伝達する許可が与えられる。本許諾書の条項は『保護された作品』である部分に関してはそのまま適用されるが、結合物それ自体としては、GNU Affero 一般公衆利用許諾書の第13項が規定する、ネットワークを介したやりとりに関する特殊な条件も適用されることになる。

(訳注: 訳出時点では、GNU Affero GPLは改定作業が依然続いており、確定バージョンはリリースされていない。 http://gplv3.fsf.org/agplv3-dd2-guide.htmlを参照せよ。)

GNU GPLv3 日本語訳

さて、今回のニュースは、作業が続いてたAffero GPLv3の正式版がリリースされたというもの。昨日のセミナーで八田さんによると、Affero GPLv3では、この第13項の内容が違っていて、Webサービスとして公開時、ソースコードを提供する必要があるとのこと(あとGPLという名前がAGPLになっている)。

追記(11/24 01:00):AGPLのディスカッションドラフトが公開されたという記事「Affero GPLv3のディスカッションドラフト公開」がOpenTechPressにありました。それによると、AGPLの第13項は次のとおり(ディスカッションドラフトの紹介記事から転載)。

本使用許諾書の他のいかなる条項の定めにもかかわらず、対象プログラムの改変を行った場合は、コンピュータネットワークを介してそのプログラムと遠隔でやりとりを行うすべてのユーザに対し、(改変後のバージョンがそうしたやりとりをサポートしていれば)そのバージョンに該当するソースをネットワークサーバから無償でコピーできる権利を提供することにより、そのソースを受け取る機会を与えなければならない。

OpenTechPress Affero GPLv3のディスカッションドラフト公開

一方で、GPLv3にこのAffero条項が入らなかったことは、結局別のことを明確にしたという意見もあるみたいです。たとえば、そのひとつがティム・オライリーのこのコラム「GPLとサービスとしてのソフトウェア」(yomoyomoさん訳)です。

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とりあえず、こんな感じです。八田さんが日本語参考訳をつくるつもりだと言っていたので、追加条項の部分をあとで掲載するかも。

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