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Land of Lispを読んでみる – その3

引き続き「Land of Lisp」を読んでみた。なんとか最後までたどり着いた。

第14章:関数型プログラミング

手続き型コードと関数型と高階プログラミングを
同じ課題でコードを書き分けてみる。
ゲームはなし。
このあと、数章にわたって、大きなゲームプログラムを作って
段階的に拡張していく(らしい)。

第15章:ダイスウォーズ

関数型プログラミングで、戦略ゲームを作る。
DiceWars」「KDice」というFlashゲームが元ネタらしい。英語版のWikipediaには、 Taro Ito’s Dice Warsが作ったと書いてあるぞ!
小さな盤サイズからはじめて、かなり強いCPU対戦モードも作る。
コードは217行。
クロージャ、メモ化、末尾呼び出し最適化というテクニックを利用して、高速化する。

ただ、手元のPCが不安定になってしまい、Common Lispを動かしていたWSLをアンインストール。残念ながら、ここから、あまり写経をしていない。

第16章:マクロ

噂に名高いLispのマクロ。
いや、これは面白い。
JavaScript版CommonLispでやってみた。

第17章:ドメイン特化言語

マクロの実例として、ドメイン特化言語を扱う。
SVGフォーマットやHTMLを生成する簡易記法。
さらに、第5章で作ったテキストアドベンチャーゲームを拡張。
前のコードに、30行ほど追加するだけ。

第18章:遅延プログラム

ふたたび、ダイスウォーズ。
盤サイズが大きくなると、CPUモードで先読みできなくなるため
遅延プログラムで探索ツリーを刈り込む。
前のバージョンに、180行ほど追加。

第19章:ダイスウォーズに、グラフィカルなWebインターフェースを追加

さらに、200行ほど追加。

第20章:ダイスウォーズの仕上げ

さらに、160行を追加して完成!

エピローグ:Lispマンガ

というわけで、なんとか最後まで読んだけど、写経は中途半端なってしまった。
公式サイトのサンプルコードを見ると、600行ほどで、ここまで作り込めるのはすごいな。

それに、今までプログラミング言語の入門書を読んできても、ここまで写経させるものはなかったし、写経しているうちの理解度の高さはスゴイ。もっと写経したくなる。南無阿弥陀仏。

ちゃんと、独特のふざけたスタイルではあるけれど、基本的な事項を説明しながら、高度なプログラムを実現してみせる本は、ほかにはない。

Lispの本を、もう何冊か読んでみたいし、RubyやJavaScriptのメタプログラミングについても調べてみたくなりました。


Land of Lispを読んでみる – その2

前回に引き続き、がんばって 「Land of Lisp」を読んでいる。

コードが複雑になってきたので、普段使っているテキストエディタのVS Codeに、
カッコを色分けするエクステンション「Bracket Pair Colorizer 2」を導入。

第9章:いろいろなデータ型

配列、ハッシュ、ジェネリック、構造体
Javaのオーバーロードのような機能もあるのね。
作ったゲームは、RPGの戦闘シーンのような「オーク・バトル!」
ここで書いたコードは、約270行。
ただし、いくつかのモンスターの入力を省略。

これで、第2部のコア機能の説明が終了!

第10章:Loopマクロ

ここから第3部。Lispの周辺機能の解説。
まずは、Loopマクロの変態っぷりを味わう。

作例として、進化シミュレーションをLispで実装。
約200行。

これは、A・K・デュードニーの「コンピュータレクリエーション」に載っていた
「Simulated evolution: wherein bugs learn to hunt bacteria」をLispで実装したものだとか。
日本語版は、別冊サイエンス「コンピュータレクリエーションIV」の
「進化のシミュレーション:虫がバクテリアを食べるようになるまで」。

第11章:formatコマンド

機能豊富なformatコマンドの説明。

サンプルゲームは、クラシックなロボット対戦ゲーム。
50行ほどのコードだけど、Loopとformatがてんこ盛りなので
公式サイトからダウンロードしてみた。
http://landoflisp.com/source.html

第12章:ストリーム

標準入力、ファイル操作、ネットワークなど。どれも、ストリームで扱うことができる。

作例として、2つのclispコンソールを用意して、ネットワークを通じてテキストを送る。
Windows10でも、WSLのターミナルを2つ立ち上げて実行できた。

第13章:Webサーバーをつくる

ストリームで、標準入力やファイル・ネットワークが操作できるようになったので、簡単なWebサーバーを作る。そのために、例外処理についても取り上げる。

書いたコードは、100行くらい。
リクエストヘッダーとリクエストボディを解析して、動的なWebページを返す。

コードはちゃんと動いた。だけど、レスポンスはボディだけでヘッダーがない。そのせいか、ブラウザがちゃんとWebページを表示してくれない。Firefoxは、HTMLをテキストとして表示するし、Chromeは”正しいWebページではない”と言ってくる。結局、もうひとつWSLコンソールを立ち上げて、Curlコマンドで動作確認。

第13.5章:閑話休題

息抜きなのか!?なぞのマンガが登場。

Haskellをdisっているようにみえるが、はたして…

第3部、完。


というわけで、12日ほどで284ページ/475ページ。
ざっと60%をクリア。
Common Lispも、軽量スクリプト言語みたいに使えるんだな、ってことがわかってきた。
続く…


Land of Lispを読んでみる – その1

さいきんアウトプットが少ないと、オルターエゴが、どーもうるさい。

もうちょっとプログラミング能力を上げたいと思って、
長いこと積読になっていた「Land of Lisp」を読んでいるので、
その途中経過を書くことにした。

Lispの本は、全体的にアカデミックで小難しい雰囲気だけど、この本は違う。
作るのも、ゲームだし。ミュージックビデオもある!

読書方針としては、コードをちゃんと写経する。登場した関数の役割りをちゃんと確認する。
12月15日くらいから読みはじめて、年末年始にどこまで進むか!

はじめに

もう、ここから長いw。
11ページあって、Lispがどんなにすばらしいか、なぜマイナーなのか、
コンピュータの歴史にそってコミカルに描いている 。

第1章:環境構築

CLISPを導入する。
公式サイトでは、Windows用としてCygwin版を紹介しているが、
今となってはWSL(Windows Subsystem for Linux)が早いと思う。

詳しくは、clispのメモを参照

第2章:数当てゲーム

人間が考えた数字を、プログラムに当てさせるゲームを作る。
10行くらいで、データ定義や関数定義を学ぶ。

第3章:基本構文

リストとか、carとか、cdr。

第4章:条件分岐

nilの話。ifとかcond、case。

第5章:テキストゲームのエンジンを作る

テキスト型のアドベンチャーゲームのエンジン部分を作る。
walkとlook・pickupコマンドで、魔法使いの家を探検できる。
ここで書いたコードは、110行ほど。

ここで関数型プログラミングスタイルが出てくる。
関数型プログラミング言語は敷居が高いけど、
「引数かローカル変数しか参照せず、値を返すだけ」なら、
なるほど感がある。

第6章:コマンドインターフェースを改良する

ゲームのインターフェースを改良して、カッコなしでコマンドを受け付けられるようにする。
evalが登場。ここで書いたコードは、約56行。

第6.5章:Lambda登場

Lambdaのための短い章。
頭の中で、Lambdaをラムブダと呼んでいるヨ。

第7章:いろいろなリストと、ノード図の出力

ドットリストや連想リスト。
アドベンチャーゲームのマップを画像として出力する。
そのために、clispの中からGraphvizコマンドを呼ぶ。
ここで書いたコードは、約130行。

Lispは、関数をすぐに評価できるので、デバッグする場合も、テストデータをすぐ確認できる。
うむ、これは便利。
なので、関数ごとに簡単なテストパターンを用意して、チェックする。

第8章:荒くれシティでハンティング! グラン・セプト・ワンプス

ランダムに生成される街を探索して敵を見つけ出すゲームを作る。
その名も「グラン・セプト・ワンプス」
ここで書いたコードは、テストパターン込みで約250行。
街のマップを描くため、 前に作ったコードを再利用する。


と、ここまでで、だいたい1ヶ月。
読んだページは、145ページ/475ページ。
ちょうど30%か。

写経して、自分で入力したコードをデバッグしながらだから、ちょっと心が折れそうだったけど、コツがつかめてきたせいか、だんだん楽しくなってきました。

続く・・・。


書評:シーモア・パパートのマインドストームを読んでみた

Mini-Meeresschildkröte (Turtle)

シーモア・パパートの「マインドストーム―子供、コンピューター、そして強力なアイデア」という本を読んでみた。

プログラミング学習がブームだったり、自分でも興味を持ったりしているので、古典とも言える本書を手に取ることにした。
子供たちの学習にコンピュータを活用しようとしてきたシーモア・パパートの考えを分かりやすく説明している。

英語版は1980年、日本語版の初版は1982年に出版された。
タートルグラフィックでお馴染み、ScratchとSmalltalkの先祖のプログラミング言語LOGOは、この人が作った。
レゴを操縦するコンピュータは、この本のタイトルが元ネタになっている。

以下は書評というより、ざっくり読んでみた感想的なメモ。

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新刊のご案内:一本指でもサクサク打てる、キーボード超入門 / パソコン初心者が文字入力で困ったら読む本

一本指でもサクサク打てる、キーボード超入門/パソコン初心者が文字入力で困ったら読む本

10年ぶりに、パソコンの解説書を出すことになりました。
しかも紙で。
2001年に書いてネットで公開していたテキストですが、
時代が1周まわって、まさかの書籍化。

今回は、イラストも描いてます!

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映画「オデッセイ」に負けず劣らず面白い、宇宙サバイバルSF小説5選

GI Joe - Survival

マット・デイモン/リドリー・スコットの火星サバイバル映画「オデッセイ」(The Martian)も面白かったのだけれど、やっぱり原作小説の「火星の人」のほうが、ハードSFの醍醐味を楽しめたので、同じようなSF小説のオススメ作品を集めてみました。

文明から隔絶された極限状態を、ハードな科学思考と楽天的な志向で生き延びる話ばかりです。遭難した先で謎のエイリアンや別の異性人文明と出会って、みたいな作品は入っていません。ある意味、ハードSFの真骨頂とも言えるテーマです。古い本が多いのは、個人的な読書体験を反映しています。

(出版社が宣伝用に用意しているあらすじを掲載しています)
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オープンソースライセンス電子書籍、αテストご協力のお願い

予想以上に多くの方にご応募を頂きました。本当にありがとうございます。いったんαテストの募集を締め切らせて頂きます。引き続き、β版の登場をお待ちください。

今度、久しぶりに新しい本を出すことになりました。
と言っても、以前に出していた「ソフトウェアライセンスの基礎知識(ソフトバンク・クリエイティブ)」の電子書籍バージョンになります。

内容を刷新して、達人出版会より出す予定です。

この本の出版に先立ち、下記のとおりαテストを実施したいと考えています。
お手数ですが、本書をより良いものにするため、ご協力頂けないでしょうか。

詳細は、こちらから。よろしくお願いします。