[Placebo Effect] > OpenOffice.org Information > サポートページ > 非公式はじめに

はじめに(非公式版)

企画段階で書いた幻のまえがきです。
ちょっと刺激が強すぎたので、ボツになりました。
折角なので、インターネット独占公開です。
本来公開する性格の文章ではないため、細部が間違っている可能性があります。

 

 OpenOffice.orgは、フリーの統合オフィスソフトです。
 正式名称は「OpenOffice.org 1.0」。名前のお尻に".org"と付いていますが、これはホームページのアドレスも兼ねています。また、このソフトを開発している組織の名前でもあります。商法上の問題で、こんな名前になりました。おかげで、ちょっとユニークな名前になりました。ソフト名は「OpenOffice.org 1.0」、組織名は「OpenOffice.org」と使い分けます。
 一番の特徴は「オープンソースで開発されたフリーソフト」ということです。誰でも自由にコピーして使えて、無料で入手できる。自由に使える"フリー"と、無料の"フリー"という2重の意味を持ってます。
「いくらフリーだからって、そんな簡単には乗り換えられないよ。ワープロや表計算をセットにしたオフィスツールならMicrosoftオフィスがあるし、会社の同僚や友達と違うソフトを使ったら文書が読めなくなるし……。」
 その点は、心配ご無用。
 OpenOffice.orgは、Microsoftオフィスのファイルを読み書きできます。だから、会社から送った文書を、自宅のパソコンでそのまま読めます。それに、操作もほとんど同じなのです。実を言えば、ワープロや表計算はすでに完成されたソフトなので、どのソフトも操作は大差ありません。Microsoftオフィスを簡単な作業に使っているだけなら、困ることはほとんどないでしょう。

 

[えっ またバージョンアップ!?]

 あなたは、Microsoftオフィスのバージョンアップに憤りを感じませんか。
 新バージョンには、いつも2つの「売り文句」があります。
 1つは「新機能を搭載して、今までより便利になった」ということ。ワープロで漢字を調べる時に、「音声で問い合わせられる」なんて新機能が搭載されていたりします。
 でも、これ本当に実用的になるかというと、そうでもないんですね。文章自体を音声で入力できるわけでもない。それに、こんな機能はなくても、別に今までどおり仕事はできます。
 もう1つの売り文句は「古いバージョンの問題点を解消して、今までより安定して使える」ということ。今までのバージョンでは「突然使えなくなって、せっかく書いた文書が消えてしまった」なんてことが時々起きていたけど、新バージョンなら「そんな時でも、文書が復活できる」んだそうです。
 でも、これもおかしいですよね。どうしてお客がお金を払って、古いバージョンの欠陥を直してもらわなきゃならないんでしょう。
 また、値段も結構高い。古いバージョンを持っている人向けで、2万6千円くらい。全部のソフトをセットにした新しいパッケージは10万円くらいします。新しいパソコンが買えちゃいます。
 これが嫌で、バージョンアップを見送ったとしましょう。でも、やっぱり問題点を抱えたまま。新型ウィルスが登場して、ワープロソフトのマクロプログラムを直撃されたりします。それにWindowsの新しいバージョンを導入すると、古いソフトが正常に動かなくなることもあります。
「仕方ない、この次のは買わないとダメだなぁ」と思っていると、あなたのパソコンは性能が低すぎて、新バージョンは動かなかったり……。
 結局パソコンは、5年に一度くらいは買い換えるように作られているのです。
 あなたのお金をむしり取るようにできているのです。

 

[お薦めは、OpenOffice.org1.0]

 そこでお薦めなのが、このOpenOffice.orgです。簡単に入手できるし、持っていない相手には、CD-Rにコピーして文書ファイルといっしょに送ったって構いません。バージョンアップの時も、もちろん無料で手に入ります。
 残念ながら、Microsoftオフィスとの互換性は、今のところ80点というところ。詳しくは本文中で解説しますが、これは日常的な使い方なら、ほとんど問題ありません。
 またフリーソフトなので、マニュアルが付かないし、メーカーのサポートもありません。自分の責任で使うのが基本です。でも商用ソフトの場合も、「使用許諾」には「何か問題が起きても責任はとりません」と書いてあります。サポートに電話しても、ちっともつながらなかったり、要領を得なかったりするのは、皆さんご承知のとおり。結局、そんなサポートは、あってもなくても同じなんです。
 OpenOffice.org1.0は、インターネットを利用して、有志がボランティアでサポートしています。そこにアクセスすれば、たいていの問題は解決します。
 まだ使いづらいところもありますが、何年もしないうちに、ワープロや表計算のスタンダードに育っていくでしょう。……というか、あなたに育てて欲しいのです。
 日頃、コンピュータを使っていて「こんな機能は使えないよぉ」とか「こんな機能があればなぁ」と思うことがありませんか。でもソフトウェアを開発できない私たちには、今まで、それを変えることができませんでした。
 でも、OpenOffice.orgは違います。
 OpenOffice.orgは、開発もサポートもボランティアで行われています。だから、自分の関わったソフトウェアを、もっと良いモノに育てられるのです。開発チームが、インターネットで問題点のレポートを待っているくらいです。
 これは、メーカーにお金をむしり取られる状況から抜け出すチャンスです。
 このソフトの存在意義は、そんなところにあります。もちろんフリーソフトとして気軽に使っても構いません。でも、完成度がさらに高くなれば、もっと色んな人に使ってもらえます。

 これさえあれば、たがかパソコンを使うのに、余分なお金を払う必要はありません。
 困ったときは、ユーザー会が手助けします。私もそこに参加しています。
 そしてOpenOffice.orgが気に入ったなら、このユーザー会にも参加してください。
 あなたの手助けがあれば、OpenOffice.orgはもっと良いモノになるでしょう。
 さあ、あなたもOpenOffice.orgを使いましょう。

2002年7月
可知 豊