エンジニアのための契約勉強会 – オープンソースライセンス編まとめ

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2015年6月24日、東京・コワーキングスペース茅場町 Co-Edoで、「エンジニアのための法律勉強会 #5『OSSのライセンスと、コンテンツやソースコードの著作権』 – Co-Edo Developers」が開催されました。この勉強会は、IT系の契約や法律・判例についての勉強会で、弁護士の野島梨恵さん(東京山王法律事務所)に解説いただいています。これまでに「SQLインジェクション対策もれの責任を開発会社に問う判決」などを取り上げてきました。

野島さんは、ふだん弁護士として企業法務系とか係争とかを扱っているそうです。必ずしも情報技術に詳しいわけではありませんが、毎回、法律家ならこう考えるという話は、大変勉強になります。

これまでの勉強会の内容は、小山さんのこの記事にまとまっています。

さて、5回目となる今回のテーマは、オープンソースライセンス。私も講師のひとりとして、いつものオープンソースライセンスと著作権あたりの概略を説明して、そこに野島さんが法律的な解説を加えるという形式になりました。

私が説明に使ったスライドは、いつものこれ。

ただし、全部で75ページほどあって、がっつり3時間くらいかけて説明する内容になっていまして、今回は持ち時間が50分ほどと短いこともあり、著作権とソフトウェアライセンスあたりと、オープンソースライセンスの特徴的なところ(オープンソースの定義とかコピーレフト)を駆け足で紹介することになりました。

勉強会の模様は、小川さんとたださんがまとめてくれています。私のスライドをながめるより、分かりやすいかも知れません。

Twitterでの反応は、ここにまとめてみました。

会場では、オープンソースライセンスに関する裁判例の情報がないかという(いつもの)質問が出ました。国内では判例がないので、IPAのこの報告書を参考にしてもらうと良いと思います(PDFの93ページ)。

「ライセンスは契約か否か」については、こちらであらためて整理しています。

一方で、入門的な内容で終わったしまったあたりは反省もあります。たださんのレポートにあるように「ほんの2、3時間程度しか使えない以上、もうちょっと参加者に前提知識を求めてもいいんじゃないかと思うんだよなー」と。ITの領域(Linuxまわり、Web、組み込み、コンテンツ)によって、つっこみたいポイントも違ってくるかも知れませんが、もしも次の機会があれば、工夫してみたいと思います。

参加いただいた皆さん、ありがとうございました。