投稿者「Yutaka Kachi」のアーカイブ

『 わかっておきたい、オープンソースライセンス』が公開されました

サイオスのOSSゲストブログに、こんな記事が掲載されました。全3回。


OSC2016 Tokyo Fallは、11月5-6日(土・日) 開催です

私も、いつものネタで出る予定。


OSC2016 .Enterpriseは、9月1日(木) 開催です

これまでは、12月の開催でしたが、今回は9月開催だそうです。

私も、いつものネタでエントリー中。

日程:2016年9月1日(木) 10:00~18:00
会場:TKP渋谷カンファレンスセンター
費用:無料
内容:企業におけるOSS利用に関する最新情報の提供
   ・オープンソースDB
   ・クラウド
   ・Webアプリケーション/サービス
   ・スマートフォン/タブレット
   ・ビッグデータ
   ・企業向けOSSソリューション/サポート
   ・運用管理

主催:オープンソースカンファレンス実行委員会


コピーレフトの対象について、説明を修正しました

長らく、オープンソースのライセンス解説というのをやっておりまして、オープンソースライセンスの基礎と実務というスライドを公開していますが、37ページ目の「コピーレフトの対象とみなす範囲」を修正しました。

修正したのは、LGPLで対象と見なす範囲のところです。
従来は「静的リンクは対象とみなす」「動的リンクは対象とみなさない」と説明してきました。しかし、これは誤解を招くと指摘を頂きました。そこで今回の説明では「静的リンクも対象とみなさない」としています。

slide_37s_copyleft

LGPLが適用されたライブラリを使う場合、ライブラリ自身を改変する場合と、ライブラリを利用するソフトウェアを作成する場合がありえます。そして、後者のように、ライブラリを利用するソフトウェアは、「ライブラリと結合・リンクして配布する場合、リバースエンジニアリングを禁止せず、結合・リンクしたコードは、ソースコードまたはオブジェクトコードの提供が必要」になります。

もう少し詳しく書くと、ライブラリに静的リンクまたは動的リンクする場合には、

  • 頒布物で、ライブラリの著作権表示とライセンスを明記する
  • 頒布物のライセンスでは、改変やデバックのためのリバースエンジニアリングを許可する
  • ライブラリおよびライブラリの改変物は、**元と同じライセンス**で提供可能にする
  • ライブラリを利用するソースコードまたはオブジェクトコードは、**再結合または再リンクするのに適した形式・条件**で提供可能にする

といった対応が必要になります。

これは、LGPL2.1の第6条、LGPL3.0の第4条に該当します。

LGPLは、このほかにもライブラリとしての利用ケースに応じて、何をどのようにするのか細かく定義しています。とはいえ、中心にある考え方は、ライブラリ自体のソースコードを自由にしておく、という点にあります。

詳細は、あらためて解説したいと思いますし、拙著「知る、読む、使う、オープンソースライセンス」もアップデートする必要があります。

なお、ご指摘いただいた大内様には、この場を借りて御礼申し上げます。


paiza開発日誌に、こんな記事を書きました > ソフトウェア開発で、どこまでやったらパクリになるのか

Mona Lisa suck

ご縁がありまして、コーディングスキルの評価サービスなどを展開しているpaizaさんの「paiza開発日誌」に、こんな記事を書かせて頂きました。

ちょっとタイトルが扇情的ですが、わりと中身はフラットに書いてあります。オープンソースコミュニティでの開発の例も、少し触れています。

ソフトウェア開発におけるパクリ問題の基本的なポイントを整理していますので、何がパクリで、何がパクリでないのか、どんなふうにしたらパクリ/パクられないのか、といったあたりを考える参考にして頂ければと思います。


OSC2015 Tokyo/Fall – はじめてのオープンソース・ライセンス

KSD's classroom in middle of 20th century

10月24-25日に開催されるオープンソースカンファレンス2015 Tokyo/Fallで、セミナーに登壇することになりました。
詳細は、下記のとおりです。

著作権から代表的なライセンスまで、オープンソースライセンスの基礎と実務について、分かりやすく解説します。
早い時間のセッションですが、ご興味があれば、ぜひご参加ください。


ライセンスとは何か、整理してみた

Memorandum of Understanding between Highways Agency and Environment Agency

先日の勉強会でも取り上げた「ライセンスとは何なのか」という話題について整理してみます。オープンソース界隈では、オープンソースライセンスは、契約なのか、そうでないのかという話が、昔からありまして。「契約として厳密に考えないとビジネスでは使えないだろう」という意見もあれば、「そんな細かいことは良いんだヨ。イノベーションだ、新しいことに挑戦することが重要だ」という考える人もいます。

私としては、開発者やコミュニティを尊重して、オープンソースライセンスを遵守するなら、実務上は問題にならないと考えています。ただ、「コミュニティって何それ。うまいの?」という人もいるので、そういう立場の人たちとコミュニケーションを成立させるためにも、「そもそもライセンスとは法律的に何なかの」を整理してみました。

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エンジニアのための契約勉強会 – オープンソースライセンス編まとめ

co-edo_20150624

2015年6月24日、東京・コワーキングスペース茅場町 Co-Edoで、「エンジニアのための法律勉強会 #5『OSSのライセンスと、コンテンツやソースコードの著作権』 – Co-Edo Developers」が開催されました。この勉強会は、IT系の契約や法律・判例についての勉強会で、弁護士の野島梨恵さん(東京山王法律事務所)に解説いただいています。これまでに「SQLインジェクション対策もれの責任を開発会社に問う判決」などを取り上げてきました。

野島さんは、ふだん弁護士として企業法務系とか係争とかを扱っているそうです。必ずしも情報技術に詳しいわけではありませんが、毎回、法律家ならこう考えるという話は、大変勉強になります。

これまでの勉強会の内容は、小山さんのこの記事にまとまっています。

さて、5回目となる今回のテーマは、オープンソースライセンス。私も講師のひとりとして、いつものオープンソースライセンスと著作権あたりの概略を説明して、そこに野島さんが法律的な解説を加えるという形式になりました。

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