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GNUプロジェクト30周年と、「自由2.0」PDF版

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The GNU 30th banner CC-BY-SA 2.0. © 2013 Free Software Foundation.

GNUプロジェクトが、9月23日に30周年を迎えました。

関係各方面では、記念イベントが開催されたり、まとめ記事が公開されたり、いろいろしています(当サイトは、相当出遅れていますが)。

なにはともあれ、この活動を継続してきたrmsことリチャード・ストールマンに敬意を表するとともに、その影響力の大きさをかみしめつつ、関連情報を整理しておきます。あと、「自由としてのフリー(2.0)」のPDF版とODT版を作成して配布中。

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【スライド】こってり系オープンソースライセンス勉強会

勉強会で使ったスライドは、こちらです。
東京チカラめしを食べて、はりきっていったのは良いけれど、こってりになったかどうかは、イマイチ自信がありません。

第1部は、下記のダイジェスト。といっても、結構前半部分をたっぷりめで。

第2部は、下記のスライドで。このために、初めて作った。まだケーススタディ情報が不足しているなぁ。


Mozilla Public License(MPL)2.0が公開

2012年1月3日、オープンソースライセンス「Mozilla Public License」(MPL)のバージョン2.0が発表されました。

MPL2.0は、Mozilla.orgで読むことができます。また、すでにOSIのオープンソースライセンスならびにFSFのフリーソフトウェアライセンスとして認証されています。

MPL 2.0 FAQも公開されていますね。

Announceによると、MPL1.1からの主な変更点としては、

  • 単純で短いライセンス文にした
  • 最近の著作権法の変化に対応した
  • 貢献者のための特許保護の強化
  • ApacheライセンスやGPLとの互換性向上

という感じでしょうか(超訳注意)。また、このライセンス変更は、過去2年に渡って検討されてきたとあります。

マイナビニュースの記事では、「ここ数年、GPL系ライセンスを採用するプロジェクトは減少傾向にあり、MPLのような非コピーレフトでかつ制限の緩いライセンスが採用される傾向が見られるようになっている。」「MPL2はこのような流れにおいて、採用しやすいライセンスのひとつになる可能性も持っている。」としています。しかし、MPLは非コピーレフトライセンスではなく、“file-level copyleft”ライセンスです(リンクするモジュールは、コピーレフトの対象外)。だから、この記事の解説は、ちょっと飛ばしすぎな気がする。

PS.
マイナビニュースの記事は更新されて、「非コピーレフトで」という文言が削除されていますね。
ただし結論は修正なし。

マイナビニュースの「GPL減少は、複数企業支援と商用展開増のため」という記事で紹介された「451 CAOS Theory » The future of commercial open source business strategies」では、ライセンスの分類ごとの増減をグラフにして掲載しています。ここでは「No Preference」「No Copyleft」「Strong Copyleft」「Weak Copyleft」の4つに分類していて、「No Copyleft」だけが増加、あとはすべて減少しています。MPLは、「No Copyleft」ではなく「Weak Copyleft」に分類されるはずなんだけどねー。

もう少し説明すると、「No Copyleft」は、コピーレフトなしなBSDやMITライセンス。「Strong Copyleft」は強いコピーレフトを持つGPL/LGPL/AGPL。そして「Weak Copyleft」は、ゆるいコピーレフトを持つMPLやEPLとかね。


Java向けRADツール「Spring Roo 1.2.0」、ライセンスをGPLからApache License 2.0に変更してリリース

VMware社の一部門であるSpringSourceが、Java向け開発ツール「Spring Roo 1.2.0」をリリースしました。スラッシュドットに、GPLの採用率が減少中という記事が出ていましたが、Spring Rooの本バージョンもライセンスをGPLからApache License 2.0に変更したそうです。このほかに、多数のパフォーマンス改善やユーザビリティの改良が加えられています。

SpringSourceやSpring Rooの位置付けは、下記のWebページが詳しく解説しています。

公式サイトは、こちら。


GNU GPL(およびコピーレフト条項を持つライセンス)の採用率が減少中

オープンソースのコード管理ソリューションを提供するBlack Duck Softwareは、オープンソース関連資料を集積したOpen Source Resource Center Software (OSRC)において、よく使われるオープンソースライセンスTop20を公開している。そのデータを調べた結果、GPL・LGPL・AGPLなどのコピーレフト条項を持つオープンソースライセンスの採用率が、どんどん低下していることが判明したそうだ。

GPLおよびその派生ライセンスであるLGPLやAGPLの採用率が加速度的に減少しているそうだ。

オープンソースソフトウェアのうち、GPLライセンスが採用されているのは約57%で、今年6月の61%から減少している。この傾向が継続した場合、2012年9月にはオープンソースソフトウェアのうちGPLを採用するのは50%以下になると予測されるという。

これはベンダーがGPLライセンスよりも自由なライセンスによるコミュニティアプローチを採用していることの現れとのことで、MITやApache(ASL)、BSD、またMs-PLといったライセンスが最近のトレンドであるそうだ。

この減少傾向はGPLv3が正式リリースされた2007年から始まっているとのこと。なお、元記事ではGPLv3の登場により「オープンソース支持者の好むGPLv2」と「フリーソフトウェア支持者の推奨するGPLv3」といった構図が生まれ、両者の溝が深まっていったこともGPL離れの一因となっている、との説を紹介している。
GPLの採用率、加速度的に減少中 | スラッシュドット・ジャパン オープンソース

個人的な感想としては、サーバーサイドで実行されるWebアプリケーションが増えて、GPLを適用する意義が減少している、コミュニティの核に財団や企業のような形態を持つことが増えてきて、開発者がフィードバックを得るために、コピーレフトを利用する必要性が弱まっている、とかあるんじゃないかな。

PS.


ITpro – オープンソースにいまだにある誤解

ITproで、久しぶりに生越さんのコラムが更新されていました。

「消え去るのみ」と思っていた私が、「やっぱり書こう」と思ったのは、twitterでの「とあるソフト」についての一連の議論でした。ここではそのソフトが何であるかはどうでも良い話ですし、関係者をdisする意図もないので、それが何であるとかのポインタは示しません。分かる人は「お察し下さい」ということで。

ということなので、今回は実例部分には立ち入りません(笑)。

このコラムで私が共感したポイントは「直接「技術」や「ビジネス」あるいは「コミュニティ」でない、その外側に案外理解されていないことが多いということに気がつきました。」というところ。

今でも、オンラインソフトを作る人は大勢いるわけで。そういう人たちも、ここ数年、オープンソースという言葉を目にする機会はずっと増えたはず。たとえば、FirefoxやOpenOffice.orgやFFFTP。あるいはWebサービスを作って見ようと思えば、やっぱりOSSは無視できないし。RubyのMatzさんのように、わりと普通の人からみてもロールモデルとかあこがれの存在になる人の例もある。

それでも結局、ほとんどの人にとって、オープンソースはどうでもいい。WindowsとMacの違いさえ、たいした違いではない。だから、オープンソースの側から、普通の人の側に立脚点をおいて、できるかぎり普通の言葉でオープンソースとライセンスについて語ることは、とても重要。


PHPによるWebフレームワークCodeigniterが、OSL3.0にライセンス変更か

PHPを用いて動的Webサイトを構築するオープンソースのWebフレームワークであるCodeigniterのラインセンス変更される模様。低い学習コストと圧倒的な速さで、PHPの4大フレームワークの1つに数えられることもある大変人気のあるフレームワークだそうです。

現状は、PHPライセンスと似た独自のCodeigniterラインセンスのもとで提供されています。この独自ライセンスの条項がGPLと非互換であるということで、マイナーなOSL3.0に変更されるというものです。


Open leap:ゲーム投稿はMITライセンスで。

ユビキタスエンターテインメントは,HTML5ゲームエンジン「enchant.js」のユーザーイベント「enchant.js meetup!」を開催したそうです。そこで、趣味としてのプログラミングをもっと広めたいとのことで、社会人デモ参加できる“無差別級9leap”として「Open leap」を新たに立ち上げることを発表しました。Open leapでは,ソースコードをMITライセンスで公開することを条件に,プログラミングコンテストなどを展開していくのだとか。なんと、賞金も出ます。

ときどき、プログラミングコンテストへの投稿作品が、主催者に帰属するみたいな条件があって紛糾することがありますが、MITライセンスとは、ずいぶん踏み込んでいる感じがします(笑。