印刷を前提とした画像作成  〜 はがき、CDラベル 〜

毎年年賀状が来ると、「あぁ、パソコンで作ったな」と一目でわかる解像度の低い画像や、「あ、年賀状作成ソフトのテンプレートだな」と分かるはがきがよく来ます。
年賀状は年賀状作成ソフト、CDRのラベルはCDRラベル作成ソフトを使うのも、それに特化していて使いやすく、豊富なテンプレートも揃っているので便利なのですが、PSPユーザーならば全てをPSPで作って「高品質オリジナル作品」で他人様をびっくりさせてあげようじゃありませんか。

ここでは、はがきとCDRラベルを作るための土台の作り方と印刷方法をご紹介します。
なお、ここで紹介する方法はメモリーを非常に消費しますので、搭載メモリーが64MBでは足りないかもしれません。最低96MB以上、出来れば128MB以上つむことをオススメします。

〇はがきに印刷する画像の作成方法

まず確認しなければならないのは、あなたの使用しているプリンター(大多数がインクジェット方式のプリンターだと思いますが)の最大印刷範囲です。上下左右の余白を何mmまで狭くすることが出来るのか?をプリンターのマニュアルで確認してください。
はがきのサイズは100mm×143mmです。私の使用しているプリンターはCanon BJF850でこのプリンターの最小余白は左右 3mm、上余白3mm、下余白5mmです。上と下の余白は一緒にした方が見栄えが良いので、左右3mm、上下5mmの余白を取って印刷したら、94mm×133mmになり、それが最大印刷範囲で、ほぼはがきいっぱいに印刷できます。図解すると下の図のような感じです。
下の余白が最小20mmというプリンターも少なくありません。その場合は上下とも20mmにするか、下だけ20mmで上は3mmにして大きく印刷するかは作成するはがきのデザインで決めてください。
Canon BJF850での例


次に画像の土台を作成します。
印刷範囲が94mm×133mmなので、画像の新規作成で幅94pixel、高さ133pixelの新規画像を作成します。


次に解像度と印刷サイズを変更すると画像の土台は完成です。
解像度は使用するプリンターにもよりますが240dpi〜360dpiあればかなり綺麗な印刷が出来ます。はがきには文字等が入ることが多く、文字にはジャギーが入りやすいため多少解像度は高めに設定した方がいいかもしれません。解像度についてはこのHPに別に解説があるので詳しくはそちらをご覧になってください。解像度と印刷サイズは 「イメージ→サイズ変更」で変更します。ここでは300dpiに設定します。
そうしたら次はサイズを変更します。サイズのところをインチからセンチに変更し、幅のところに9.4と入力します。縦横の比率を固定するにチェックマークが入っていると思いますので、そうすると自動的に高さのところは13.3になります。これでOKをクリックすれば土台は完成です。


(注意)このようにサイズ変更を行うと画像サイズは1110×1571ピクセルとなり、メモリーを4.9MBも消費します。ここに画像を貼り付けたり、レイヤーを何枚も重ねると更にメモリーを大量に消費します。ですからメモリーを沢山搭載してくださいと最初に言ったわけです。


こうして土台が完成しました。ここに写真を貼り付けたり、イラストを描いたり、文字を入れたりしてはがきのデザインを完成させてください。そうすると次はいよいよ印刷です。
まず、ファイル→印刷プレビューで、印刷イメージの表示をします。設定をクリックすると下の図のような画像が表示されるので、用紙をはがきにして、余白をこの場合は左右3mm、上下5mmにするつもりで画像を作成しているので、左3mm、上5mmにします。スケールが100になっていれば、これではがきにきちんと画像が収まるはずです。これで後はプリンターの設定をきちんとして、印刷すればはがきの完成です!
便宜上画像に赤の色を塗っています。


〇CDラベルの作り方

CDラベルも同様の手法で作成できます。高機能な統合グラフィックソフトのPSPがあれば、わざわざ高い専用ソフトを買う必要なんて無いんです!
CDラベルのシートは大体規格が決まっていて、おおむねこんな感じです(下図)。


116mmの正円の中心に41mmの空洞がある画像を作成して、上余白20mm、左余白10mmで印刷したらCDラベルの完成だと言うことが分かります。

まず、適当な大きさの正方形の画像を新規作成します。200×200ピクセル程度でいいでしょう。
その新規画像の中心(ここでは100、100)から画像いっぱいにベクター描画で正円を描きます。スムージングはオフ、色は適当でいいです(印刷範囲外になるので)。スムージングをオンにするとうまく中に色が塗れないので必ずオフにしてください。
 枠いっぱいに円をベクター描画で描く

次に ウィンドウ→複製 で、同じ画像をもう一つ作ります。
一つ目は解像度240〜360dpiで11.8cmの印刷サイズに、もう一つは同じ解像度で4.3cmにサイズ変更します。ここでは300dpiにしますので下の図のように設定します。用紙でのサイズより少し大きいですが上下左右1mm余裕を持って設定しています。


次に小さい方(サイズを4.1cmにした方)のベクター描画のレイヤーをドラッグ&ドロップして大きい方の円にコピーします。やり方は下の図のとおりです。そうすると小さい方の円は必ず画像の中心にコピーされるのでこれで、画像の土台は完成です。
このようにコピーする
コピーした画像はこんな感じ


あとはこの画像の全てのレイヤーを結合して、中のラベルのデザインをしてください。デザインが終わったらいよいよ印刷です。
左から10mm、上から20mmの余白をとったら良いのですが、2mm余分に大きく画像を作っていますので、左から9mm、上から19mmとって印刷すればOKのはずです。はがきのときと同様にサイズを今度はA4にして、上と左の余白を設定して印刷です!CDラベルなんて簡単!でしょ...?