Mozilla Public License(MPL)2.0が公開

2012年1月3日、オープンソースライセンス「Mozilla Public License」(MPL)のバージョン2.0が発表されました。

MPL2.0は、Mozilla.orgで読むことができます。また、すでにOSIのオープンソースライセンスならびにFSFのフリーソフトウェアライセンスとして認証されています。

MPL 2.0 FAQも公開されていますね。

Announceによると、MPL1.1からの主な変更点としては、

  • 単純で短いライセンス文にした
  • 最近の著作権法の変化に対応した
  • 貢献者のための特許保護の強化
  • ApacheライセンスやGPLとの互換性向上

という感じでしょうか(超訳注意)。また、このライセンス変更は、過去2年に渡って検討されてきたとあります。

マイナビニュースの記事では、「ここ数年、GPL系ライセンスを採用するプロジェクトは減少傾向にあり、MPLのような非コピーレフトでかつ制限の緩いライセンスが採用される傾向が見られるようになっている。」「MPL2はこのような流れにおいて、採用しやすいライセンスのひとつになる可能性も持っている。」としています。しかし、MPLは非コピーレフトライセンスではなく、“file-level copyleft”ライセンスです(リンクするモジュールは、コピーレフトの対象外)。だから、この記事の解説は、ちょっと飛ばしすぎな気がする。

PS.
マイナビニュースの記事は更新されて、「非コピーレフトで」という文言が削除されていますね。
ただし結論は修正なし。

マイナビニュースの「GPL減少は、複数企業支援と商用展開増のため」という記事で紹介された「451 CAOS Theory » The future of commercial open source business strategies」では、ライセンスの分類ごとの増減をグラフにして掲載しています。ここでは「No Preference」「No Copyleft」「Strong Copyleft」「Weak Copyleft」の4つに分類していて、「No Copyleft」だけが増加、あとはすべて減少しています。MPLは、「No Copyleft」ではなく「Weak Copyleft」に分類されるはずなんだけどねー。

もう少し説明すると、「No Copyleft」は、コピーレフトなしなBSDやMITライセンス。「Strong Copyleft」は強いコピーレフトを持つGPL/LGPL/AGPL。そして「Weak Copyleft」は、ゆるいコピーレフトを持つMPLやEPLとかね。