印刷のテクニック

自分で書いたイラストやデジタルカメラで撮った写真をPSPで補正した後、綺麗に印刷するにはどうしたら良いのでしょうか?
プリンター任せ?もう少しこだわってみましょう。
ここでは、プリンターで画像を綺麗に印刷するために必要な、解像度についてご紹介します。

解像度についてのお話

解像度、この言葉を聞いただけでもアレルギーを起こす人がいるのではないでしょうか?しかし、画像をプリンターで出力する際には切っても切り離せませんので是非理解してください。 

まず、発想の転換が必要です。「この画像をこの大きさに印刷したいな」という考え方ではなく、「この大きさの紙にこの解像度で画像を出力したいから、この大きさの画像を用意しよう」という考え方の方が上手くいきます。

○モニターの解像度とプリンターの解像度

モニター画面は1インチあたり72ピクセルで構成されるとされています。(実際にはそうでもない) 
プリンターは機種にもよりますが、1インチあたり300〜1440ドットで構成されています。 
モニターとプリンターでは1インチあたりに入っている情報量が違います。これを解像度が違うといいます。 
モニターは72ppi(ピクセルパーインチ)、プリンターは300〜1440dpi(ドットパーインチ)と解像度が違いますPSPでは画像を開いた後は標準で解像度は72ppiに設定されています。

○最適な解像度

では、最適な解像度とはいくらぐらいでしょうか? 
基本的にはプリンターの最高解像度に合わせます。しかし、一般的に使われているインクジェットプリンターでは1ドットでは色を表現できません。3〜6色のインクのドットの密度をそれぞれ変えて擬似的にフルカラーに見えるように印刷しています。ですからプリンターのカタログに載っている最高解像度に設定することは意味がありません。カタログスペックの1/2、1/3、1/4に設定すればおおむね綺麗な画像が得られます。
720dpiのプリンターであれば360ppi、240ppi、180ppiの画像を用意すれば綺麗な印刷結果が得られます。本などの商業印刷の解像度が300dpi程度ということを考えればこれで十分ということが分かると思います。 
昇華型のプリンターの場合は1ドットでフルカラーを表示できるためカタログ上の最高解像度に設定します。 
 

131万画素のデジタルカメラの画像は1280*960ピクセルです。 
そのままでは72ppiなので、印刷サイズは45*34cmと巨大になります。(おそらくこのまま印刷する時には「フィットページ」や「画像サイズの縮小」等で紙に入りきるように印刷していませんか?) 
180ppiに変更すると印刷サイズは18*14cm 
240ppiに変更すると印刷サイズは13*10cm 
360ppiに変更すると印刷サイズは 9*6cmになります。実用的な解像度では131万画素のデジカメではA4サイズにすらプリントできません。200万画素のデジカメでも1600*1200ピクセル程度なのでA4サイズにはプリントできません。 

そこで、ここからが大事なところなのですが、下の画像を見てください(印刷プレビューのあとの設定の部分です)。この中のスケールの部分は常に100になるようにしてください。内部で変に縮小拡大処理をされてプリントクオリティーが下がるのを防ぐためです。 
  スケールが常に100になるようにする 
このスケールが常に100になるようにして解像度、印刷サイズを変更して印刷するのが基本になります。次の実践編をご覧下さい。

○実践編

131万画素のデジカメの1280*960ピクセルの写真をハガキに印刷する場合はどうした良いでしょうか? 
ハガキは10.0*14.8cmなので、余白3mmを考えると印刷サイズは大体9.4*13になります。 
解像度を258ppiに設定すると印刷サイズは9.451*12.602で上手く紙の中に収まります。またプリンターやPSP内部で変に画像の拡大縮小を行っていないためいい結果が出るはずです。また、一定以上解像度を上げても画像のクオリティーは向上しません。よって、180ppiに設定して印刷サイズにあうようにトリミングするというのも1つの手です。 
 

今度は逆にA4サイズに印刷したい場合はどうしたらよいでしょう? 
解像度はクオリティーを考えて180ppi以上落としたくない、しかしそれでは印刷サイズは18*14cmでA4には足りません。 
こういう場合は印刷サイズを変更します。 

 
 

ここで解像度、印刷サイズを変更する。 
解像度を変更すると印刷サイズが自動的に変更されるが、 
解像度を目的の解像度に設定した後、印刷サイズを変更 
すると、ピクセルリサンプリング(画像の大きさが変更)される。 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

A4紙は21.0*29.7cmです。余白を考えると印刷サイズは20.4*27.9cm程度になります。そこで解像度を180にして印刷サイズの幅に20.4と入力して(高さは自動的に変わる)OKを押します。そうすると画像のリサンプリングが行われ180dpiで20.4*27.2の大きさになるようにもとの画像が拡大補間処理されます。画像サイズは1280*960ピクセルから1928*1446ピクセルに拡大されました。 
ここからレタッチ処理をして印刷します。特にアンシャープマスクで画像をシャープにするのは忘れないで下さい。画像の拡大補間はエッジが甘くなります。 
このように拡大処理を最初に自分の手で行ってしまうわけです。ただし、元の画像以上のクオリティーにはなりません。クオリティーがなるべく下がらないようにしているだけです。 

このように印刷する際には常に解像度と印刷サイズとそれに伴う画像サイズを考えて、変更して印刷するようにします。 
自分で描いたイラストの場合はデジカメ画像のように画像サイズが決められていませんので、最初にキャンバスの新規作成の時に、解像度と印刷サイズを決定して画像を新規作成して、そのキャンバスに絵を描いてください。こうすることでドットの目立たない綺麗なイラストのプリントが得られます。印刷サイズは紙の大きさにして解像度は360dpi程度が良いでしょう。写真よりも高い解像度が必要になります。 

これであなたも印刷名人!