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露出補正(レベル補正)の注意点
 
 

露出補正の意義

露出補正はデジカメで撮影した写真のもっとも基本的で重要な補正です。補正の方法に関しては「明るさ、コントラストの補正 〜レベル補正〜」で書いた通り、「レベル補正」で行うのがもっとも高画質で一般的です。

露出補正をする理由は、デジカメがはずした露出を適正にし、明るさを適正な明るさにしてコントラストを強調すること です。
しかし、あくまでレベル補正はデジカメが露出をはずしてしまった場合の補正であり、撮影の段階で露出を調節して、適正露出にしておくほうがいいのは言うまでもありません。


 

露出補正は撮影段階でデジカメで行なう



sample1
露出AUTOで撮った写真。
ハイライト部分の階調を残すため
若干露出不足。全体に暗く
ハイライト部分の階調が欠落。



sample2
デジカメで露出+0.5段補正。
ヒストグラムがシャドウからハイライトまで
きっちり分布しており適正露出といえる。



sample3
sample1をPSPで補正した写真。
レベル補正と若干のトーンカーブ
補正を行っている。

上の3つの写真を見ていただいたら一目瞭然です(ちなみにわが娘パイさんはこんな格好でよく寝てます、恥ずかしい)。
sample3はかなり綺麗に補正できており、明るさ、コントラストともに問題ありません。印刷したものを見てもsample2との差は分かりません。sample1が若干露出不足といえども比較的綺麗に階調が出ていたためでもあります。
しかし、明るさ、コントラストを得るのと引き換えにシャドウ部の階調が荒れています。このぐらいであれば問題はありませんが、デジカメできちんと露出補正を行なったsample2の方がもちろん高画質です。
これはこの後の更なるレタッチを高画質で行なえるかどうかにも影響してきます。

「露出補正は撮影段階でデジカメで行なう」これが基本です。


 

レベル補正の落とし穴

上のサンプル3でも分かるとおり、明るさとコントラストを得るためにシャドウの階調の滑らかさが犠牲になっています。
いくらレベル補正をしても 240の階調しか持っていない画像は255にはならない と言うことです。ですから露出補正は撮影段階でデジカメで行なうのです。
更に問題なのはせっかくある階調を減らしてしまう危険があるということです。240の階調を持つ画像は255の階調にはならないが200の階調にはなる と言うこと。
雑誌等のフォトレタッチ解説等でたまに見かけるのですが、レベル補正で階調を飛ばしてしまっていることがよくあります。意図的にピーキーなハイトーンの画像に仕上げるのでなければせっかくある階調は飛ばさないのが基本です。

  先ほどのsample1を若干過剰なレベル補正で仕上げた画像。

上の写真を見ていただきたい。sample1をレベル補正だけで、sample3とほぼ同じ明るさになるよう調節した画像です。
縮小画像では分かりにくいかもしれませんが、ヒストグラムを見たら分かるようにハイライト部分の階調が飛んでいます。
猫の毛の明るい部分の微妙なディテールがなくなっているのです。更にその分階調を余計に引き伸ばしているためその他の階調も余計に滑らかさが失われています。ヒストグラムがかなり櫛状になっています。

ですから露出補正はsample3のように最低限のレベル補正とそれで補正できない場合はトーンカーブで行なうのがもっとも最適です。
ちなみにsample3は下図のように補正しています。レベル補正も一緒にトーンカーブで補正しています。
   sample3の露出補正カーブとそのヒストグラム

右上のポイントを左にずらしレベル補正をした後、若干シャドウ部のカーブを持ち上げることでシャドウのみを明るくしています。 
これで適正露出のsample2とほぼ一緒の明るさとコントラストを得ることができ、なおかつ階調の乱れを最低限に抑えた補正ができています。
このように、もともとある階調(ディテール)を失わずに補正することが高画質の写真を得るポイントです。