イメージに近づける -部分的な色の調整-

デジカメで撮影した写真に基本的な補正を施し、最適な明るさとコントラストを引き出しても撮影時のイメージからは程遠い事が良くあります。

また、実際には正確な色合いと明るさが出ていても頭に描いたイメージで撮影できない事は良くあります。

そこで撮影時のイメージに近づけるために少し高度な補正を行ないます。

ここでは部分的に色相と彩度を変更してより撮影時のイメージに近づけてみましょう。


元画像


完成画像

 

図1

図2

図3

○基本的な補正1
デジカメで撮影したままの写真が図1です。空も写っているため露出不足で全体的にイメージよりも暗くコントラストの低い写真になってしまいました。
そこで図2のようなトーンカーブでレベル補正を行ない、シャドウ部を持ち上げて春らしい明るいイメージにします。


 

図3

図4

図5

○基本的な補正2
基本的な補正1で図3のように透き通るような感じでイメージどおりの露出になりましたが、まだ多少コントラストが低くのっぺりしています。
そこでコントラストを強くするために図4のようなS字トーンカーブでコントラストを強調します。コントラストが強調されてだいぶイメージに近づきました(図5)。しかし、撮影時のイメージではもっと花も鮮やかで、葉の緑がみずみずしかったような気がするので次からの作業でこれを補正します。

○イマイチな補正

ここではちょっと良くない補正をご紹介します。ついしてしまいがちな補正ですが、後からご説明する補正を行なうと、より綺麗な写真に仕上げる事が出来ます。

単に彩度をあげただけでは鮮やかにはなるが、イメージどおりの葉の緑の鮮やかさが出ない。

カラーバランスの調整レイヤーで中間調とシャドウの緑を増やす。
これでは全体の色合いがおかしくなってしまう。

 

○イメージに近づける補正 -部分的な色補正-

図5

図6

○色相彩度の変更のTips
 
「色合い/鮮やかさの調整レイヤーのダイアログボックス」
・色の範囲のプルダウンメニューで「マスター」のままだと、画像全体の色相・彩度・明度が調節できます。
・このプルダウンメニューをマスター以外にする事で特定の色の調節が出来ます。



「特定の色を調節する場合のダイアログボックス」
赤色系やシアン系などのプルダウンメニューはあくまでプリセットです。何色系でもいいので、とりあえずマスター以外にして丸い玉をドラッグして、調節したい色を外側の輪の色を目安に移動します。そして、丸い玉の外側のある4つのバーを調節して調節する色の範囲を決定します。4本のバーの幅が狭いほど調節する色を限定できます。逆に広いほど丸い玉を中心に調節する色の幅が広がります。 カラー → 色相の補正 をより詳細に行なう事の出来るツールと考えてください。



・うまく設定する方法


明度を+100か-100に設定して、黒い玉と4つのバーを調節すると、調節できる色相が白(黒)になるので、簡単に調節したい部分を選択する事が出来ます。


上記の方法で花のピンクの部分の彩度を上昇させたのが図5です。

そして葉の部分の明るさと彩度を上昇させ、色相を緑に変更したのが図6です。

この機能はトーンカーブでも実現可能ですが、非常に手間もかかるためこの調整レイヤーで行なう事をお勧めします。この機能を上手に利用する事によって花の色を変えたりなど写真のイメージを極端に変更したり、画像の一部分をうまく調節する事が可能になります。更に選択範囲と組み合わせる事によってより詳細に画像を編集する事が出来ます。