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彩度の調節

○彩度の調整

これも最も基本的な補正項目の1つです。写真の色を鮮やかにします。 
デジタルカメラやスキャナーの特性にもよりますが、実際の色に近い色を忠実に写真で再現するとかなり寝ぼけた色合いになります。 若干彩度を上げることによって、写真に鮮やかさとコクがでます。印刷を考えると、忠実な色ではなく若干オーバーで作り物っぽいかなというぐらいに彩度をあげた方がメリハリがあって、コクのあるぱっと見ていわゆる「綺麗な写真」になります。実際に雑誌の写真などではかなりメリハリの 
利いた色合いになっているでしょ?

ただ、注意しなければいけないのは、彩度を上げることによってちょっとしたカラーバランスのずれが目立っておかしな色合いになることがあります。彩度を上げる前にカラーバランスをきちんと補正してから彩度を上げてください。 案外カラーバランスをきちんと補正すると画像が鮮やかになって彩度をあげる必要がないことが結構あります。彩度が低い原因が緑や青などの色がかぶっていることが原因だったりするわけです。
また、彩度をあげると肌色だけが赤っぽくなることがあります。このような時はトーンカーブや選択範囲などを活用して色を整えてください。


○PSP5J・6Jでの彩度の調整

画像のレイヤーをアクティブにして、カラー → 調節 → 色相/彩度/明度 を呼び出し、彩度のスライドバーを調節します。あまり上げすぎないようにしてください。 目安としては15〜40ぐらいです。 
あまり上げ過ぎるとポスタリゼーション(トーンジャンプ)を起こして画像が汚くなります。

     

                     元画像           彩度を上昇させた画像。より鮮やかになります。 

調整レイヤーでも彩度の調節は出来ます。 
レイヤー → 新しい調整レイヤー → 色合い/鮮やかさ でダイアログボックスを出し、彩度のスライダをあげます。 
しかし、なぜか調整レイヤーでの彩度の上昇は極端で、6以上にあげるとポスタリゼーションを起こしてしまい使い物になりません。 これは是非修正して欲しいものです。 
ただ、色相ごとに彩度を変更できるため、「この風景の中の、花のピンクだけを鮮やかにしたい!」などの調節が出来るため少しは使い道がありますが。 



調整レイヤーのトーンカーブ補正で中間調を下げることでも色の濃度があがり、コクが出ます。テクニックとして覚えて置いてください。
また、彩度を上げると色が思わぬほうへシフトすることがありますのでカラーバランスを整えるのを忘れないで下さい。

○PSP7Jでの彩度の調整

PSP7Jでは残念なことに、カラーツールの彩度の調整も調整レイヤーと同じダイアログになり、ちょっとスライドするだけで極端に彩度が上昇してポスタリゼーションを起こしてしまいます。
では、PSP7Jでは何で彩度の調整を行えばよいのでしょうか?答えは新しく搭載された写真修正ツール群に入っている「鮮やかさの自動修正」を使います。これを使えばポスタリゼーションを起こすことなく簡単に鮮やかさを増すことが出来ます。詳しくは別項「PSP7Jでのフォトレタッチpart1」をご覧ください。
また次に紹介するやり方でも手間は増えますが綺麗に彩度を上昇させることが出来ます。
○高度な彩度の調整(PSP5J・6J・7J)

PSPではカラーをRGBだけでなくHSL(色相・彩度・明度)で扱うことが出来ます。詳しい説明は避けますが、RGB256階調でフルカラーを表現できるのと同じようにHSL256階調でフルカラーを表現できます。この彩度を直接編集してやろうと言うのが今回の方法です。

・カラー → チャネル分割 → HSLに分割 で色相・彩度・明度に分割して、色相チャネルをトーンカーブで編集します。


あまり天気が良くなかったため多少鮮やかさにかける写真。

HSL(色相・彩度・明度)に分割


   
       色相チャネル                彩度チャネル                明度チャネル

彩度チャネルのヒストグラム。やはり(彩度が)低いほうに偏っています。

この彩度チャネルに
 →  トーンカーブを適用した彩度チャネル
このようなトーンカーブを適用してみます。彩度の高い部分は不必要に更に上げる必要はないので、ポイントで固定して、低い部分を持ち上げます。このトーンカーブは彩度チャネルのヒストグラム分布を見ながら最適なカーブを設定してください。

そうして今度は カラー → チャネル結合 → HSLから結合 で、再度カラー画像に戻します。
完成画像が下の画像です。元の画像と見比べてみてください。多少強調しすぎの感もありますが、イメージ的にはこれが正解ですし、この方がプリントした場合には見栄えがしそうです。
多少面倒ですが、ポスタリゼーションを起こしにくいだけでなく、柔軟に彩度を調節できるため結構お勧めです。


完成画像