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『第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？』の情報

java-ja主催の勉強会(『第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？』)が非常に盛り上がったので、その関連情報を整理してみます。まとめというよりも、あのイベントをきっかけにして発散したり発掘したりした情報を集めています。

基本情報 †

『第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？』とは、java-jaが主催した勉強会。オープンソースライセンスの基本的な知識を、著作権・ソフトウェアライセンスのところから理解していく。

講演者は、ソフトウェアライセンスの基礎知識の著者である可知 豊。

都合により、講演前にピザとビールが参加者に配布されたためか、しゃべっている最中にも質問やコメントが多数発せられ、さらにTwitterやニコ生にも情報が流れたので、大いに盛り上がった。

• 日時：2010-09-15
• 場所：グリー本社(六本木)
• 主催：java-ja
• 講演者：可知 豊（ソフトウェアライセンスの基礎知識の著者）
• イベント情報

発表資料 †

• 発表スライド：オープンソースの基礎の実務 SlideShare

• 知って役立つOSSのライセンス 発表スライドと、ほぼ同じ内容を記事化したもの（ただし、情報は少し古い。2007-05-21 Web公開）
• ソフトウェアライセンスの基礎知識 著作権・ソフトウェアライセンス・オープンソースについて解説した書籍。薄くて読みやすいというコメントがあった。

記録 †

• Togetter - 「java-ja 第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？」
• 第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？ - ニコニコ生放送

• 漢(オトコ)のコンピュータ道: 「java-ja 第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？」に参加した。
• 「java-ja 第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？」に参加した - いちいの日記
• 「java-ja 第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？」に行ってきた。 - 都元ダイスケ IT-PRESS
• java-ja 第1.9.2回 チキチキ ライセンスって何ですか？に行ってきた :ダメ人間オンライン

関連資料 †

著作権関係 †

「オープンソースライセンス」は「ソフトウェアライセンス」がベースになっていて、さらに「ソフトウェアライセンス」は「著作権」に基づいている。だから、オープンソースライセンスを理解するとき、「著作権」と「ソフトウェアライセンス」の基礎知識が必要になる。

• ITリーガルマインド：第1話_電車男をネタに著作権を考える
• 連載：ネットだから気をつけたい！ 著作権の基礎知識｜gihyo.jp … 技術評論社

• うんちく
  • ロボットと3D著作権〜「著作物」と「工業製品」の違い シド・ミードは、デザインを依頼されてもイラストを納入する。
  • Placebo Effect :: ブランク・フォーム・ルールとは アメリカの著作権法では、ブランク・フォーム(Blank Form:書き込み用紙)には、著作権はないとされている、らしい。

契約・ライセンシング †

※ここは、講演では全く触れなかったところ。ライセンスは契約の一種でもある。だから、契約についての基礎知識も重要。

契約というのは、当事者である2者が、「この条件で良いですよね(申込み)」「いいですよ(承諾)」という手続きで成立する。民法で規定されている(契約)。

• ITリーガルマインド：番外編_法律系の人々―行政書士編―
• ITリーガルマインド：番外編_法律系のお仕事 ―利用許諾契約編―
• 契約書の例|日本書籍出版協会

ソフトウェアライセンス †

コンピュータソフトウェアを著作権で保護するのは、割と最近(1985年)に登場した。それまでは、ハードとソフトが一体というのが主流だった。会場の吉岡氏から、「ソフトウェアを著作権で保護することになったのは、「IBM産業スパイ事件 - Wikipediaの影響もあったかも」というコメントがあった。

あとで調べたところ、アメリカの著作権方改正は1980年、IBM産業スパイ事件は1982年でした。事件がきっかけで法律が改正されたのではなく、法律が改正されて著作権法違反が問われるようになり、事件かしたのかも。

• ITリーガルマインド：第2話_Windowsのソフトウェアライセンスを読んでみる
• 経済産業省 情報システム信頼性向上のための取引慣行・契約に関する研究会」最終報告書 〜情報システム・モデル取引・契約書〜 モデル取引・契約書 システムインテグレータやWebサービスのために経済産業省が作成した契約書の見本。

オープンソースライセンス †

• オープンソースをライセンス的に正しくつかうための11のチェックポイント - builder by ZDNet Japan
• オープンソース・ライセンスに関するみんなの疑問 - OSSセンター談話室：ITpro
• ＠IT：OSSライセンス入門第1回：訴訟が増えている!? OSSライセンス違反
• ＠IT：OSSライセンス入門第2回：OSSライセンスが求める条件とは？
• ＠IT：OSSライセンス入門第3回：アカデミック系OSSライセンスに関する一考察
• ＠IT：OSSライセンス入門第4回：GNU系OSSライセンスに関する一考察）
• ＠IT：OSSライセンス入門第5回：OSI系OSSライセンスに関する一考察
• ＠IT：OSSライセンス入門最終回：OSSライセンス順守の第一歩（1/2）

• Placebo Effect » IPA OSSカリキュラム　V1：法務分野に関する基礎知識
• Placebo Effect » オープンソース・ビジネスに取り組むSI企業のための 〜 企業ポリシーガイドライン

• 日経BP知財Awareness −オープンソース・ライセンスの法的強制力――Jacobsen vs. Katzer裁判より

• オープンソースソフトウエアの利用状況調査／導入検討ガイドラインの公表について−報道発表−経済産業省

• 第9章 ライセンス、著作権、特許 オープンソースソフトウェアの育て方

デュアルライセンス †

• デュアルライセンスの仕組み オープンソースソフトウェアの育て方

オープンソース的 †

ライセンスの話と、バザールモデルの話がごっちゃになっていることがある。

• 「オープンソース的」という言葉の誤解と希望 - 記者の眼：ITpro

GPL関係 †

• GPLメモ - こせきの技術日記
• IPA、オープンソースライセンスGPLv3の解説書を無償公開
• Latest topics > オープンソースなライセンスやコピーレフトなライセンス、クリエイティブコモンズについて、他のライセンスとどう組み合わせられるのかを図にしてみた - outsider reflex

• Omicron GPL GPLに関するリンク集
• トランスヒューマニストの主張 ライセンスはややこしい〜GPLと動的リンク

質問やディスカッション †

全体的なところ †

• 本を立ち読みするのは、著作物の使用。写メとかで取るのは複製してるので利用。
  • この可知の説明に、コメントがついていた。
  • Twitter / Seiji, Amasawa: 著作権法違反にはならないようですよ。ただ、本屋はその人を本屋から退去させることができるでしょうけど。
  • Twitter / Seiji, Amasawa: はい。立ち読みの延長としての撮影は一般的に違法とは解釈されていません。ネットで配布したりすれば別ですが。「デジタル万引き」等でぐるぐるどうぞ。
  • デジタル万引き - Wikipedia

• 日本での裁判事例はないの？
  • 日本では、裁判になったことはない(多分)。
  • OSSのライセンスを守らないで、トラブルになった事例はいくつかある。
  • IPAあたりの報告書に事例情報があったんだけど、どれだったかなぁ。

• 主要なライセンスの比較表とか一覧はないの？
  • ITキヲスク | GPLやMITやCCなど主要ライセンスの内容と意味のまとめ
  • さまざまなオープンソースライセンスをまとめてみた。 - 乱筆乱文お許し下さいorz
  • オープンソースソフトウエアの利用状況調査／導入検討ガイドラインの公表について−報道発表−経済産業省 「オープンソースソフトウエアの利用状況調査／導入検討ガイドライン」（PDF形式：1309KB）の56ページ
  • OSSライセンス関連情報 || OSS iPedia

• さまざまなライセンスとそれらについての解説 - GNU プロジェクト - フリーソフトウェア財団 (FSF)
• フリーおよびフリーではないソフトウェアの分類 - GNU プロジェクト - フリーソフトウェア財団 (FSF)

• オープンソースライセンスは契約なのか？
  • 実は契約ではなく、著作権の不行使宣言だと言う説がある(ややこしい)。
  • オープンソースライセンスは、契約となる手続きがないんじゃない？ という話。
  • 「仮に契約と理解すると、契約の成立要件である申込みと承諾が存在しないのではないかという問題が生じる。」(wikipedia)。
  • 契約ならどう考えるか、不行使宣言ならどう考えるか、両方の場合を検証する必要があって、IPAによる解説なんかに書いてある。
  • GPLv3 Conferenceリポート2: 自由を我等に - SourceForge.JP Magazine : オープンソースの話題満載途中、GPLが契約(contract)か否かでフロアから(筆者からのも含めて)質問が集中した。

個別ライセンス †

• MITライセンスは、説明しないの？
  • MITライセンスは、コピーレフトを持たないBSD系ライセンス。
  • 修正BSDライセンスと比較してみるとわかりやすい。
  • 修正BSDライセンスの配布時の条件は「BSD：ソースコード形式で再配布する場合、バイナリ形式で再配布する場合」に分かれていて、著作権表示および本許諾表示、免責条項を含めるとしている。
  • これに対して、MITライセンスの配布時の条件は「特にわかれておらず、著作権表示および本許諾表示を、ソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載」となっている。
  • BSD-MITライセンス比較表

• MPLの話は、あまりしないのね

• GPLとApache License2.0の特許条項の違い

OpenSSLのライセンスについて †

• OpenSSL日本語サイト: The Open Source toolkit for SSL/TLS
• OpenSSL - Wikipedia
  • OpenSSLとは「SSLプロトコル・TLSプロトコルのオープンソースな実装である。中心となっているライブラリ(C言語で書かれている)は基本的な暗号化関数と様々なユーティリティ関数を実装している。」(Wikipedia)
  • OpenSSLのライセンスは、「"OpenSSL License"と"SSLeay License"のデュアルライセンス下で公開されている[2]。OpenSSL LicenseはApache License, Version 1.0であり、SSLeay Licenseは宣伝条項付きの四条項BSDライセンスである。」(Wikipedia)

• SDI OpenSSL License Agreement 英語
• OpenSSL ライセンス 日本語訳
  • 3.このソフトウェアの機能または使用について言及するすべての広告用材料では、次の謝辞を表示する必要があります。「この製品には、OpenSSL Toolkit で使用するために OpenSSL Project によって開発されたソフトウェアが組み込まれています。 (http://www.openssl.org/)」
  • 4.事前の書面による許可がなければ、「OpenSSL Toolkit」と「OpenSSL Project」の名前を、このソフトウェアから派生した製品の承認または促進に使用してはなりません。書面による許可が必要な場合は、openssl-core@openssl.org に連絡してください。
  • 5.OpenSSL Project の事前の書面による許可がなければ、このソフトウェアから派生した製品を「OpenSSL」と呼ぶことはできませんし、また、それらの製品の名前に「OpenSSL」が含まれていてはなりません。
  • 6.いかなる形の再配布にも、次の謝辞を表示する必要があります。「この製品には、OpenSSL Toolkit で使用するために OpenSSL Project によって開発されたソフトウェアが含まれています。(http://www.openssl.org/)」

• ＠IT：アカデミック系OSSライセンスに関する一考察（2/2）姉崎さんによる解説

このような宣伝条項には、FSFによるものなど批判がある。

• さまざまなライセンスとそれらについての解説 - GNU プロジェクト - フリーソフトウェア財団 (FSF)

ではなぜ、このような宣伝条項を残しているのか。それは、OpenSSLがセキュリティプロトコルのオープンな実装であるため。OpenSSLという名前を持つソフトウェアを組み込んでいること、誰によって作られたのかを明示するため、らしい。

GPLは感染性があるから怖いよね。 †

イベントの当日、「GPLは感染性があるから怖いよね」という発言を受けて、「ソースはないんだけれど、MicrosoftのFUDの影響じゃないかな。」とコメントした。

• 「怖いから使わない」ではなく、どうやったら免疫がつくか、健康でいられるか、ベストプラクティスの確立と共有が大事だと思う。
• そういう意味で、今回の勉強会は少しは役に立ったんじゃないか。
• 漢(オトコ)のコンピュータ道: GPLは感染するか否か

いちおうソースを探してみた。

• FUD - Wikipedia に、例としてMicrosoftによるGNU General Public License (GPL) の「ウイルス的性質」に関する文章が記載されている。
• 実物の「Press release from Microsoft which has viral nature of open-source quote」は、リンク切れ
• 「Some Questions Every Business Should Ask About the GNU General Public License (GPL)」というワード文書が、microsoft.comからダウンロードできる。2001年5月にMicrosoftがShared Sourceを始めたときに公開したもの(らしい)。

ほかにもイロイロあった。

• ＠IT：マイクロソフトの知的財産戦略、「GPLには問題がある」
• 【レポート】Internet Week 2004 - マイクロソフトからみたオープンソースとは? | エンタープライズ | マイコミジャーナル
• ビル・ゲイツ、GPLは「パックマンのような性質」 - スラッシュドット・ジャパン
• GPL FAQ (by Microsoft) - スラッシュドット・ジャパン
• MSが日本での政府によるOSS推進に抵抗 - スラッシュドット・ジャパン
• マイクロソフトはオープンソースを否定しない、だが……
• News：MS、「GPLは国内ソフト産業発展を制限」
• GPL/LGPL 関連

現在では、アンチ・オープンソース戦略は修正されている。

• マイクロソフト、オープンソースに友好的な姿勢--ビジネス慣行の変更で - CNET Japan
• マイクロソフトのオープン ソース
• Linux Daily Topics：2011年7月27日　カーネルコードへの貢献にアニバーサリーメッセージ… Microsoftの"Linux愛"をどう受けとめる？｜gihyo.jp … 技術評論社

Linuxディストリビューションのライセンス †

自分の研究成果をLiveCDとして配布したいという大学関係者から、昔来た質問。Knoppixを改変して、研究成果を入れたオレオレKnoppixを作りたい、とか。そのときライセンスは、どう設定すればいいのか。

Linixディストリビューションは、結局のトコロ単なる配布用ソフトウェア集に過ぎません。全体をひとつのソフトウェアと見なすことはないので、個々の収録ソフトウェアごとにライセンスは異なります。

一方で、編集著作権を主張するとか、商標で縛るとかいう手法もある(Redhat、MiracleLinux)。

もうひとつ大事なのは、ライセンスとは別に、Linuxディストリビューションは再配布なんだから、それを再配布した人にソースコードを提供できる手段を用意すること。'Debianから手に入れてよ'では、原則だめなんじゃないか。

• Placebo Effect » 派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか
• Placebo Effect » 派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか2
• Placebo Effect » 派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか3

Rubyライセンスの話 †

• ruby-changes:17261
• 漢(オトコ)のコンピュータ道: Ruby会議2010へ行ってきた。

現在、RubyはRubyライセンスとGPLv2のデュアルライセンスで配布されている。
これを、Rubyライセンス+GPLv2以降もしくはRubyライセンス+BSDライセンスへ変更しようというものだ。

ども、ライセンス周りの話にコメント。
まず、現在のRuby'sはGPLv2とのデュアルであって、GPLv2 or laterじゃないんですよ。
BSDLの話は、BSDLから持ってきたコードが多数ある(筆頭は鬼車)が、
そのコードをRuby側でいじったときに戻せなくてめんどくさいというもの。
Ruby'sには「作者の許可」条項があるので、Ruby'sでの配布に同意した時点で
まつもとさんに全権委任したことになります。
最後に、Ruby'sの一部条項やGPLで謳われるコピーレフトの精神が、
Ruby'sの緩い条件のため機能していないので、厳しくしても意味が無い、という話ですね。

• Togetter - 「RT hyoshioka: @ yukihiro_matz　実はなんでBSDライセンスにしなければいけないか理解できない。利益より害の方が大きいと思う。」

Javaとオープンソース †

• 著作権の保有と譲渡 オープンソースソフトウェアの育て方

ライセンスの選び方。 †

• ライセンスを選ぶ オープンソースソフトウェアの育て方
• 議論/ライセンス - Mona OS developers Wiki

• フリーソフトウェアライセンス診断_-_Matzにっき(2003-06-08)
  • オープンソースではなくフリーソフトウェアライセンスの選び方。
  • オープンソースマガジン2007年1月号で、アップデートされた。
  • 最近、Rubyライセンスが変わろうとしている。

• Togetter - 「オープンソースにしたときのデメリットってなんなの」
• Togetter - 「オープンソースにしたときのデメリットってなんなの part2」
• ビジネスユースにおけるオープンソースソフトウェアの法的リスクに関する調査 || OSS iPedia

ソフトウェアエンジニアとしての暮らし方・考え方 †

• 2009-08-22 - 未来のいつか/hyoshiokの日記オープンソースにすると企業は損をするんじゃないですかという質問

• 漢(オトコ)のコンピュータ道: GPLに対するオトコの個人的見解
• 漢(オトコ)のコンピュータ道: GPLの境界線
• 漢(オトコ)のコンピュータ道: オープンソースでお金を稼ぐ方法いろいろ。
• 漢(オトコ)のコンピュータ道: 受託開発とGPL
• 漢(オトコ)のコンピュータ道: 受託開発とGPL ー 補足事項

• Togetter - 「オープンソースのライセンスとビジネス」
• Togetter - 「OSSと企業の関係について」
• Togetter - 「OSSを使って安く開発？」