上手に変換するため、入力ミスを減らそう。

人間というものは、なかなか間違いを減らせません。

日本語を入力する場合も、変換ミスよりも入力ミスが目立ちます。

上手に効率よく入力するためには、
いっきに長い文章を入力するのではなく、
こまめに区切って入力するのがお薦めです。

「吾輩は猫である」と入力する場合も、
「わがはいは」と「ねこである」を区切って入力しないと
間違えても、すぐに見つけられないのです。

例えば、次のように表示されたら、
どこが間違ってるかひと目で分かりますか?

和賀は岩根湖である

「わがはいわ」と入力したので
日本語変換が、次のように勘違いしてしまったのです。

わがは いわねこである

でも、悪いのは日本語変換ではありません。
ひらがなを間違えてるのが原因なのです。

こんな失敗をしないためには、
次のように、文章を細かく区切って入力するのが一番です。

わがはいはねこである

長い文章を入力してから間違いを見つけるのは、結構大変です。
でも、細かく区切って入力すれば、間違えてもスグに直せますよネ。
特に、キーボードに慣れないうちは、
こまめに変換した方が、確実に入力が早くなります。

さて、[変換]キーを押した後で入力間違いに気づいたら
こんなふうにして修整します。

[変換]キーを押した後で[ESC]キーを押すと
変換前の状態に戻るのです。

ここで矢印キー[←][→]を押せばカーソルが移動しますから、
[BackSpace]キーで不要な文字を消して
正しい文字を入力します。

この修整方法は、「ちょっと前の間違いを発見したら」で紹介しました。

では、欲しい漢字が一発で出てこない時は、どうすればいいでしょう?

これも簡単です。もう一度[変換]キーを押せば良いのです。
すると、他の変換候補が表示されます。

ここには、変換候補が一覧表示されています。
色が反転しているのが、選択中の候補です。
下の候補を選択するには、もう一度[変換]キーを押しましょう。
通り過ぎてしまった時は、[↑]キー(上向きの矢印)で戻ります。
入力したい候補のトコロに来たら、[Enter]キーで確定します。

初心者が上手に変換するためには
こんなふうに操作しましょう。
ちょっとまとめておきますネ。

こまめに区切って変換する
[ESC]キーで変換前に戻る
変換前に戻ったら、矢印キーと[BackSpace]キーで修正する
[変換]キーで、他の候補が表示される

では、練習問題をやってみましょう。
例によって、夏目漱石の「吾が輩は猫である」の登場です。
「ここで区切ると良いよ」という位置に印がつけてあります。
ひらがなに注意しながらやってみましょう。

No 問題
* わがはいはねこである。
吾輩は猫である。
1 なまえはまだない。
名前はまだ無い。
2 どこでうまれたかとんとけんとうがつかぬ。
どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
3 なんでもうすぐらいじめじめしたところで
何でも薄暗いじめじめした所で
4 にゃーにゃーないていたことだけはきおくしている。
にゃーにゃー泣いていた事だけは記憶している。
5 わがはいはここではじめてにんげんというものをみた。
吾輩はここで始めて人間というものを見た。
6 しかもあとできくとそれはしょせいという
しかも後で聞くとそれは書生という
7 にんげんじゅうでいちばんどうあくなしゅぞくであったそうだ。
人間中で一番獰悪な種族であったそうだ。
8 このしょせいというのはときどき
この書生というのは時々
9 われわれをつかまえてにてくうというはなしである。
我々を捕まえて煮て食うという話である。
10 しかしそのとうじはなんというこうもなかったから
しかしその当時は何という考もなかったから
11 べつだんおそろしいともおもわなかった。
別段恐しいとも思わなかった。
12 ただかれのてのひらにのせられて
ただ彼の掌に載せられて
13 すーともちあげられたとき
すーと持ち上げられた時
14 なんだかふわふわしたかんじがあったばかりである。
何だかふわふわした感じがあったばかりである。
15 てのひらのうえですこしおちついてしょせいのかおをみたのが
掌の上で少し落ちついて書生の顔を見たのが
16 いわゆるにんげんというもののみはじめであろう。
いわゆる人間というものの見始めであろう。
17 このときみょうなものだとおもったかんじがいまでものこっている。
この時妙なものだと思った感じが今でも残っている。
18 だいいちけをもってそうしょくされべきはずのかおが
第一毛をもって装飾されべきはずの顔が
19 つるつるしてまるでやかんだ
つるつるしてまるで薬缶だ。


このボタンを押すと、入力した内容をすべて消します。
もう一度、はじめから練習したい時に押しましょう

No. : 913.6 な そ
著者名 : 夏目漱石
書籍名 : 吾輩は猫である(新字・新仮名遣い)
底本 : 「夏目漱石全集1」ちくま文庫、筑摩書房
1987(昭和62)年9月29日第1刷発行
底本の親本 : 「筑摩全集類聚版夏目漱石全集」筑摩書房
1971(昭和46)年4月~1972(昭和47)年1月にかけて刊行
入力者名 : 柴田卓治
校正者名 : 渡部峰子、おのしげひこ、田尻幹二、高橋真也、しず、瀬戸さえ子