2023年5月、100円ショップDAISOからオリジナルのゲームブックシリーズが登場しました。

DAISOを運営する大創産業のグループ会社である大創出版が出しています。大創出版は、DAISOで販売している謎トレ本や学習ドリル・絵本なども出していますね。

「きみが決めるストーリーブック」シリーズは、この大創出版が出しているゲームブックです。お店では、レジの近くナンプレや謎解きブックと同じ場所に置いてありました。110円(消費税込み)で、手ごろな分量なのに本格的です。

ゲームブックとは

ゲームブックとは、読み手が選択することでストーリーが分岐するよう作られた本。「アドベンチャーゲームブック」・「アドベンチャーブック」と呼ばれることもあります。

最近は、脱出ゲームや謎トレ本などが人気ですが、それとはちょっと違っています。ゲームブックは、数十から数百に文章(パラグラフと呼ぶ)に分かれていて、このパラグラフごとに番号が振られています。読者は、パラグラフの末尾に記された選択肢を選んで、指定のパラグラフにジャンプして読んでいきます。ゲームブックによっては、サイコロで分岐できるか決めたり、能力値を増減させたりする場合もあります。また分岐先によって、お宝をゲットできたり、ピンチになったりするので、それをよけて結末を目指します。

脱出ゲームや謎トレみたいなところもありますが、本を読むこと自体がゲームとして遊べるようになっているんです。

1980年代のちょどドラクエが登場する直前に一時ブームになって、多くのゲームブックが登場しました。その後ブームは沈静化しましたが、今でもこんな感じで新作が登場しています。旧作も電子ブックで復刻していたり、同人誌としてオリジナル作品も登場していたりします。

「きみが決めるストーリーブック」シリーズの作者は

さて、DAISOで登場したシリーズの作者は、文:藤浪智之さん・絵:佐々木亮さんとなっています。

藤浪さんは、講談社の「だんじょん商店会」や「怪盗クイーンはサーカスがお好きゲームブック」などを手掛けているゲームデザイナー・ゲームライター。イラスト担当の佐々木さんは、同じく講談社の「だんじょん商店会」、角川文庫の「バニラのお菓子配達便!」などを手掛けているマンガ家・イラストレーターです。

現役のゲームデザイナーとイラストレーターのコンビが手掛けているんですね。

ドラゴンカリバー とりもどせ!巨人の宝物

こちらはファンタジー世界の勇者になって魔法と冒険の世界を旅するというストーリーになっています。どちらかというと男の子向けかもしれません。パラグラフ数は130。サイコロや能力値は使いません。ストーリーは、わりと一本道ですが上手に回らないと必要なアイテムが集まりません。

じつは、ゲームブックをちゃんと最後までやるのは始めてだったんですが、ちゃんとわくわくさせるストーリーで、ほどよく謎解きもあって楽しめました。ページをめくるわくわく感っていうのがあるんだな、と再認識しました。

ふしぎ探検キミ&ユメ ~消えた人形事件~

こちらは、ありふれた町で妖怪やオバケたちと会話しながら謎を解く探偵ものです。町のマップをみながら、自由に聞き込みして回る形式。こちらも、サイコロや能力値は使いません。ひとつだけ大きなナゾがあって、それを解き明かないと結末にたどり着けません。こちらのほうが、ちょっとだけ難しいかも。

どちらも手ごろな分量なのがいいですね。まとまった本を読める小学生なら、きっとどちらも面白いと思います。むかしゲームブックにはまった大人も、いっしょに楽しめるでしょう。

原理は簡単だし、プログラミングも不要だし、これならオレも作れそうな気がする!

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