WindowsユーザーのためのEmacs入門 その後。(Xyzzyを使ってます編)

2006MAY100947
Photographer bootload

という訳で、以前書いたように、今年の3月ぐらいにテキストエディタを乗り換えてみました。現在は、EmascクローンのひとつであるXyzzyを使っています。原稿書きとしてテキストエディタは、もっとも重要な商売道具だから、これを乗り換えると結構ストレスが大きいのです。ここでは、その顛末を記録しておきます。各種ノウハウは、Wikiの「WindowsユーザーのためのEmacs入門(xyzzyによる)」にも書いてあります。

さて、はじめに「Meadow」を使ってみようとした。これは、Windows向けEmacsのひとつで、こっちが正統のはず。実際にインストールしてみたところ、日本語を使い始めるためには、初期設定が必要になる。初期設定するためには、Meadowで、設定ファイルをテキストで書く必要がある。それをしないと、日本語入力ができず、日本語のテキストを読み込んでも文字化けして、印刷もデフォルトではできない。設定ファイルを作るためのチュートリアルに4時間かかる。それではいくら何でも、と放り出しました。

次に見つけたのが「Xyzzy」という奴。亀井哲弥さんによるWindows向けEmacsクローン。CommonLispのサブセットを作って、その上に実装してある。こいつは、とても使い始めやすい。解凍するだけ。設定なしで、日本語入力できるし、日本語も表示できる。

ただ、やはり操作はEmacs。チュートリアルが欲しくなるんだけれど、Xyzzyには、チュートリアルがついていない。そこで、Meadowのチュートリアルを引っ張り出して、一通りやっておくのが良いんじゃないか。Emacsは、Windowsが生まれる前から、効率よくテキストを編集するツールとして高い評価を得てきました。チュートリアルも、今ほどパソコンやメールが一般的で無かった時代に書かれたので、ごく当たり前のことも説明しています。文字の入力や削除方法とか、ページの右端まで入力したら、どのように行が折り返すとか。これは当時、ワードプロセッサも一般的でなかったため。

そして操作の基本は、キーボードショートカット。複数のウィンドウを開いて、それを重ねて使うなんてこともさえありません。これは当時マウスとかマルチウィンドウがほとんど普及していなかったため。Emacsは、キーボードショートカットを使いこなすと、どんどん効率が上がっていく(らしい)。まあ、使えるところはマウスを使ってラクしたほうがいいけどね。一方で、定番のWindows用テキストエディタとは、コンセプトが異なる機能も多数。だから、こういうクラシカルなところは、気にとめないで素直な気持ちでザクザク読みましょう。

さて、Xyzzyは、日本語テキストエディタとしてはサクサク使えるんだけど、デフォルト設定のままではWindowsアプリとしては見劣りするので、少しだけ設定を変更する。といっても、ほとんどは設定ダイアログでオン/オフするだけ。

  • ツールバーを表示する:「表示」-「ツールバー」-「標準」
  • ドラッグ&ドロップで編集可能にする:
    1. 「ツール」-「共通設定」
    2. 「さまざま」タブを選択
    3. “D&D編集する”をオンにする
  • コピー&貼り付けのキー割り当てをWindows標準に合わせる。Winkey.lの導入

最後の奴は、設定ファイルを作らなくちゃいけないので、ちょっとややこしいけれど、でもまあMeadowに比べれば大したことはない:-)

と、ここまで設定したら、まあ日常的には使えるようになる。トキドキ必要になる高度な機能も揃っているはずなので、それを使ってもいいし。マクロはLispでも書ける(やってないけれど)。よくできた解説書もあります。xyzzy内でLispによるマクロを作る方法も簡単に解説されています。

それに、これになれておけば、LinuxとかでEmacsを使い始めるのは、もう少しラクになるでしょう。