職場で周りの人たちが、企画書とか報告書といった文書を書く場合が増えてきていました。そこで、私なりの文章を書くコツを整理してみることにしました。当初は、自分の周り向けに公開してみようと思ったけれど、どうせなら、こちらに載せたほうが、世の中のためになるかしらんしね。
#かきかけです。
さて、文章を書くのが億劫な人は、こんな風に文章を書こうとしていないでしょうか。
- いきなり書こうとする
- 頭から順番に書こうとする
- 正しい言葉を探そうとする
- 格調高い文章を書こうとする
これだと、最初の一文からきちんと書けないと、一歩も前に進みません。書いては戻り、書いては戻り、手戻りが多くて時間もかかる。そのうち自分が何を書こうとしているのか分からなくなって、なんとか書き終わっても、読み直してみると、自分でも意味が通っているんだか通っていないのか分からなくなります。
そこで、もっと気軽に文章を書くことに取り組む方法を解説してみます。ポイントは、文章を書き始める前の情報の整理。これに近いことを日々の業務でやっていますし、一ヶ月に1冊くらいのペースで、パソコン関係の解説書を書き上げられるようになりました。
誰のために、何について、どんな目的で文書を書くのか
とにもかくにも、これをはっきりさせないと、始まりません。
- 誰に
- 部長に向けて、お客様に向けて、隣のデスクに座る人に向けて
- 何について
- 仕事のことを、製品のことを、昼ご飯のことを
- どんな目的で
- 報告、連絡、相談
といった具合に自分なりに整理しておきます。頭では分かっているつもりでも、一度にいろんなことを盛り込もうとして、ごちゃごちゃになっている場合がある。
キーワードを洗い出す
文章を書く前に、次にやるのはキーワードを洗い出すこと。
書きたいこと・書くべきこと・単語・キーワードなどをとりあえず洗い出す。ここでは、使う言葉も使わない言葉も関係なく、発想のおもむくままにメモを取る。単語でもいいし、文章の断片でもいい。
たとえば、こんな感じ。
これは、この文章を書くために、作ったメモです。テキストエディタで、テキトーに書き飛ばしています。
構成
文章
単語の配置
単語の洗い出し
言葉の洗い出し
構成要素苦手な人
いきなり書こうとする
正しい言葉を探そうとする
頭から順番に書こうとする
格調高い文章を書こうとする「とりあえず」が重要。
とにかく、とりあえず・書くべき言葉を洗い出す。出てきた言葉を整理する。
よく似た言葉
同じようなことを言おうとしているもの
反対のことを言おうとしているもの
主張なのか、理由なのか。
時間順なのか、登場人物順なのか◎視点を切り替えてみる
自分の視点
お客様の視点
システムの視点(ITの会社なので)
業務の視点(業務ソフトの会社なので)
ここでは、多めに材料をそろえておきます。これが足らないと、順番を考えたり、文章を書くときに何度も、ここへ戻ってくる羽目になります。読めば分かる言葉でも、書くときにすぐ取り出せる状態になっているとは限りません。そのために、書く内容の周辺の言葉も含めて、2-3倍の言葉を用意しておくのです。
洗い出すキーワードの量を増やすには、インターネットで似たような文章を集めておくと良いでしょう。必要そうな調べ物があれば、この段階で材料に加えます。使えそうな文章や言葉は、コピペしておく。バラしてしまえば、自由に使えます。
周りの人にきいて、その意見もここに入れちゃいましょう。
ただし、洗い出しと調べ物は、気楽で楽しすぎるため、時間をとり過ぎないようにしましょう。
よく似たキーワードをグループ分けする
次に、こうして出てきた言葉を整理します。整理したグループごとに簡単な見出しをつけます。そして不足していると思えば書き足す。ここでも、使う言葉も使わない言葉も、気にせずどしどし書く。また、全体の順番は考慮しない。
◎文章の構成要素
単語
文節
文
段落
文章◎苦手な人
いきなり書こうとする
正しい言葉を探そうとする
頭から順番に書こうとする
格調高い文章を書こうとする
(その結果、どうなるか)◎出てきた言葉を整理するパターン
よく似た言葉
同じようなことを言おうとしているもの
反対のことを言おうとしているもの
主張なのか、理由なのか。
時間順なのか、登場人物順なのか◎言葉を洗い出すときのポイント
「とりあえず」が重要。
とにかく、とりあえず
書くべき言葉を洗い出す。
(きちんと言葉を探そうとすると)◎書く順番を決める
◎視点を切り替えてみる
自分の視点
お客様の視点
システムの視点(ITの会社なので)
業務の視点(業務ソフトの会社なので)
グループにまとめる基準としては、たとえばこんなものが使えるんじゃないかな。
- よく似た言葉を集める
- 同じようなことを言おうとしているものの羅列
- 反対のことを言おうとしているものを対比
- 主張なのか、理由なのか。
- 時間順なのか、登場人物順なのか
この方法は、梅棹忠夫の「知的生産の技術 (岩波新書)」(1969)に出てくる「こざね法」という手法のバリエーション。
ここまでのステップで、どうも十分な材料が集められているか自信がない場合は、視界や発想が狭くなっているんじゃないかと思います。もうすこし広い範囲にまで、考えを広げておきましょう。効率よく最小限の言葉を集めようとするんじゃなくて、関係しそうな言葉もそうでない言葉も大量に集める。刈り込むのは、このあとです。
文書の中心テーマは?
さて、ここまでは日ごろの業務や調べ物の中で、ある程度できているかも知れません。言葉は、頭の中に入っているし、テキトーな順番なら取り出せる。でも、それを思いついた順番につないだだけでは、伝わる文章になかなかなりません。
そこで、いよいよ文書の組み立てるわけですが、まず最初に文書の中心テーマを書き出してみましょう。たいていの場合、次の3つを書き出します。先ほどグループ化した言葉の中から探し出しても構いません。
- この文書で伝えたい課題
- その解決策
- 解決すると、どんないいことがあるのか
仕事の文書でもメールでも、実はこの3つに集約できるのではないか!
いきおいで言ってみました。
本稿の場合は、こんなふうになります。
- 課題:文章を書くのが苦手。どんなふうに手をつければいいか分からない
- 解決策:文章を書く前に、とりあえず情報を整理しよう
- 効果:そうすれば、文章を書く作業がずっとラクになるヨ
ここまでで、中心テーマの3行しか取り掛かっていませんが、これがきちんとできていれば、メッセージの中心部分はできたも同然。一方で、これがうまくできないなら、そもそも何のために、この文章を書くのかキーワードの洗い出しにさかのぼって再度整理してみる必要があります。
また、自分が集めて整理したキーワードから、どれを取り出したらいいのか、どうも良く分からないという人は、人の書いた文書を使って、中心テーマを取り出す練習をしてみたら、いいかも知れませんね。