HashiCorp、オープンソースライセンスから「Business Source License」に変更

これはオープンソースとビジネスを両立させたい企業にとって良い作戦かも。

ニュース

解説

ちなみに、一定期間後に移行するライセンスは製品によって異なる。
HashiCorpのTerraformはMPL (@ITの記事は間違っていると思う)。
MariaDBはGPL 2.0以降。

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OSSライセンスMeetup Vol.1に参加します

まだちょっと先ですが、こんな勉強会に参加することになりました。
組み込み系のOSS利用で活躍される上田さんと、いろいろディスカッションします。


MITライセンスが適用されたコードを利用するには

MITライセンスは、代表的なオープンソースライセンスの一つです。

ネット上で見つけたサンプルコードの利用条件が、このMITライセンスになっていることも、良くあります。そんなとき、利用者はどんな行為が可能なのか、質問を受けることも少なくありません。

そこで、このMITライセンスで「あなたができること」「条件」を簡単に説明します。ただし、この記事自体はMITライセンスそのものではありません。短い文書ですので、ぜひ一度読んでみてください。

MITライセンスが適用されているコードは、その条件に従うことで、あなたは次の行為が可能です。

MITライセンスでできる事

  • このソフトウェアを誰でも無償で無制限に扱って良い。
  • これには、ソフトウェアの複製を使用、複写、変更、結合、掲載、頒布、サブライセンス、および/または販売する権利、およびソフトウェアを提供する相手に同じことを許可する権利も無制限に含まれます。

色んなことができますよね。サンプルコードを元にして新しいコードを作る場合は、複製して変更して結合して、なんて事になると思います。そして、それを頒布したり、サブライセンスしたり、販売したりと、色んなことができる訳です。

MITライセンスの条件

  • 「ライセンス文書に記載の著作権表示」と「本許諾表示」を、ソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載する。
  • コードは、現状のまま提供される。保証はない。作者または著作権者は、ソフトウェアに関してなんら責任を負わない。

著作権表示とは「Copyright 2xxx foo.bar」のところです。本許諾表示とは、ソフトウェアに同梱されているMITライセンスの文書です。独立したテキストファイルの場合もありますし、ソースコードの冒頭にコメントとして記述している場合もあります。

参考になるページ

さらに詳しく知りたい場合は

SIOS Tech.Lab:わかっておきたい、オープンソースライセンス

知る、読む、使う! オープンソースライセンス
可知豊
達人出版会
発行日: 2011-12-20
対応フォーマット: EPUB, PDF


WordCamp Tokyo 2018でライセンスの話をします。

WordPressのイベント「WordCamp Tokyo 2018」で、ライセンスの話をさせて頂くことになりました!
朝イチのセッションですが、よろしくお願いします。

スライドは最終版に差し替えました。会場で頂いた情報も反映してあります。


感想メモ:OSSライセンスの教科書

OSSライセンスの教科書

OSSライセンスの教科書

技術評論社から、こんな本が出るそうです。すでに、AmzonではKindle版が入手可能です。概要や目次、著者略歴などは、出版社のページで確認できます。

ありがたいことに、技術評論社さんから見本書を頂きましたので、頑張って、一通り目を通してみました。

今回は、その赤裸々な感想をざっくり書いてみようと思います。

書いた人

著者の上田 理さんは、CELinuxとかに関わっている人ですね。2017年北東アジアOSS貢献者賞受賞

なので、門外漢が知らないことをがんばって書いたという訳ではないみたいです。

特徴

組み込みLinuxの事例を中心に、GPL/LGPLや、Apacheライセンスの特許条項などについて解説が充実しています。また、OSSに対応するための社内体制の整備についても、かなりページを割いています。それから、「OSSイノベーション戦略」として、コミュニティとどのように連携すべきかと、そのメリットを説いています。出版社のページで、サンプルPDFファイルを公開していて、その最初にある「講義 ソフトウェアと知的財産権」は監修の岩井さんが書いたものですね。

モニョるところ

本書では、OSIが策定した「オープンソースの定義」とOSI認定ライセンスを紹介しつつ、実務面では限界があるとして、独自のオープンソースの定義を導入しています。その結果、JSONライセンスを例にとり、OSSとして認められるべき「実務面から考えれば、このようなライセンスで利用許諾されているソフトウェアも当然 OSSとして捉えるべき」(p.12)としています。

※ただし、JSONライセンスは公式のライセンスには見えないので、筆者の単なる調査不足だと思います。

追記:また、寛容型ライセンスとしてTOPPERSライセンスを取り上げています。TOPPERS プロジェクトで採用していて、いくつか議論のある特殊なライセンスですが、「寛容型ライセンスを理解するのに非常に役立」つと、具体例として最初に取り上げています。

それから、「オープンソースの自由」についての説明が、”自分たちが自由に使える”という主観的なものに置き換わっています。自由に使えるとはどういうことなのか、という本来の説明がほとんどありません。「オープンソースの定義に準拠する」という話が「OSI認定ライセンス」の話にすり替わっているところもあります(p.12)。

あとは、「OSSイノベーション戦略」 のところは主語がぼんやりしている。大手企業のOSS戦略あたりの話になっていて、エンジニアのスキルパスみたいな話は少しだけ。

この本の限界

「OSSライセンスの教科書」と名乗りつつ、全体的に、著者の個人的な想いと得意分野に少しばかり偏っているように見えました。これが、オープンソースコミュニティの主流と捉えられるのは、ちょっと違うだろうな(私の方が、偏っているのかもしれないけれど)。

Webサービス系企業の人たちとか、エンジニアのセルフブランディングに興味がある人たちには、あまり参考にならなそう。例えば、WordPressのテーマを作っていて、OSSライセンスについて理解を深めたいという人には、ピンとこないでしょう。

この本が役に立ちそうな人たち

組み込み系ソフトウェア開発や業務系システムを受託開発するような大手SIerの人たちには、自分たちの状況に当てはまるところが少なくないかも。


長野で「OSSライセンス」勉強会を開催


9月9日、オープンソースカンファレンス2017 Tokyo/Fallでセミナー開催


8月19日、オープンデベロッパーズカンファレンス2017 Tokyo でセミナー開催


OSC2017 京都は、8月4日(金)です

久しぶりの京都です。


OSC2017 Tokyo/Springは、3月10日(金)11日(土)です

今回も、金曜日の朝イチで話します!

毎度おなじみ、はじめてのオープンソース・ライセンス