覚えるボタンは少ない方が良い。

このPart2では、キーボードを身につけるポイントをいくつか紹介しましょう。

さて、タイプライターやワープロのことは、知っていますか。
最近あまり見かけませんが、
ずらり並んだボタンを押して、文章を清書する機械です。

パソコンのキーボードも実はまったく同じです。
押したボタンの文字が、そのまま文章になって出てきます。
ワープロソフトを使えば文章を清書することもできます。
もちろん、その他の使い道もあって、
例えば、インターネットで買い物するときには
あなたの連絡先をキーボードで入力します。
とにかく、パソコンを使うにはキーボードは欠かせないのです。

キーボードを使いこなせば、 手書きの汚い文字を見せなくてもいいし
漢字の書き間違いも、ぐっと少なくなります。
何より、パソコンがおっくうでなくなるでしょう。

でもキーボードは、とっても難しそうです。
たくさんのボタンがあるので
どれを押せばいいのか、さっぱりわかりません。

パソコンでは『日本語入力』という機能を使って文章を入力します。
入力した「ひらがな」を漢字に変換するのです。
しかし、文章を書こうと思っても、
ボタンを探すのは面倒だし
変換すると違う漢字が出てくるし
直そうとして前よりひどくなったりします。
誰でも最初は、こんなふうです。

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パソコンのキーボードには、100個以上のボタンがあります。
ノートパソコンでも90個ほどボタンがあります。

こんなにたくさんあっては、全部を覚えるなんて、絶対無理です。
ところが、この中には、まったく使わないボタンがいくつもあります。
使い道がいちおうあるのでですが、滅多に使いません。
効率よく覚えるため、よく使うボタンに絞り込みましょう。

覚えるボタンは、少ない方が良いですよね。
実は、29個のボタンを使えば、日本語入力はできてしまいます。

覚えるのは、これだけで充分です。

ですから、キーボードを覚えるための最初のポイントは
「必要なボタンだけ覚えよう」ということです。

『かな入力』と『ローマ字入力』はどっちが良いの?

キーボードを覚えるときに、気になるのが
『かな入力』と『ローマ字入力』です。

効率よくキーボードを身につけるには、どちらが良いでしょう。

パソコンのキーボードを見ると
『ひらがな』と『英語』の両方が書いてあります。
あいうえお順かアルファベット順に並んでいれば探しやすいのですが
どちらも何故かバラバラに並んでいます。
だから、全部のボタンを覚えようとすると
どちらも同じように覚えにくいと言うことになります。

『ひらがな』をそのまま押す方式を『かな入力』と呼びます。
ひらがなは、『あいうえお』から始まって
『ん』までの50音がありますから
『かな入力』では50個のボタンを覚えなければなりません。

一方、『英語』の組み合わせで日本語を入力する方式を
『ローマ字入力』と呼びます。
『か』と入力するには、『K・A』と押します。
組み合わせを覚えるのが、ちょっと大変です。

私は、この『ローマ字入力』のほうが簡単だと思います。

なぜなら、『ローマ字入力』では、
たったの20個のボタンしか使わないからです。
ボタンを組み合わせるので、それだけ数が少なくて済むのです。
キーボードの100個のボタンのうち、たったの20個です。
これなら、覚えるのも簡単でしょ。

ですから、キーボードを覚えるための2つ目のポイントは
「ローマ字で効率よく覚えよう」です。

『かな入力の方が、早く文章が打てる』という意見もあります。
しかし、それには50個のボタンを覚えないと意味がありません。
すでに、キーボードのかなを覚えちゃっているなら、
それでも良いでしょう。
でも、まだキーボードが全然覚えられないなら、
ローマ字で始めるのが断然有利です。
人差し指だけで、手書きと同じスピードを目指すのですから
ローマ字入力で充分です。

それに、ローマ字で覚える利点は、これだけではありません。

「えっ、たった20個を覚えればいいの!?」

『ローマ字』の覚え方は簡単です。

『ローマ字入力』には、もっと良いことがあります。
『あいうえお』の5個を覚えたら、半分覚えたことになるのです。

ローマ字では、2つの英語を組み合わせて「ひらがな」にします。
例えば、[K]と[A]で、「か」になります。
ローマ字では、必ず『A・I・U・E・O』を組み合わせるのです。

つまり、使うボタンの半分はコレになるので、
『あいうえお』を覚えてしまえば、 ボタンの半分は探さなくて済むのです。

このポイントを無視して、やみくもに探してもボタンはみつかりません。
でも、このコツさえつかめば、キーボードは楽勝です。

「そうは言っても、ローマ字を覚えるのが大変だよ」
そんな声も聞こえてきます。
たしかに『かな入力』なら、余計な暗記は不要です。

だったら簡単です。覚えなければ良いのです。
ローマ字が苦手ならカンニングしましょう。

このテキストでは、ローマ字の一覧表を用意しています。
これ印刷して、いつもパソコンの横に置いておきましょう。
組み合わせが思い出せなければ、それを見ればいいのです。
ボタンを探すよりも、その方が断然早いでしょう。

ずるい事なんてありません。
パソコンは実用の道具です。
学校の授業でも試験勉強でもありません。
とにかく、効率よく使えば良いのです。

それに、ローマ字は規則的に並んでいるので、
覚えるのはそれほど難しくありません。
カンニングするのは、ほんの少しで済むでしょう。
繰り返し使っているうちに、意外と覚えてしまうと思いますよ。

キーボードの50個のひらがなを覚える方が、もっと大変です。

「たった5個なら、すぐに覚えられるネ」

日本語入力の流れ。

このようにキーボードは、ポイントさえ押さえれば簡単に覚えられます。
でも日本語入力のコツは、これだけではありません。
ボタンを覚えるだけでは、スピードアップしないのです。
その秘密は、文章を入力する操作にあります。

パソコンの日本語入力は、次の手順で行います。

  • ステップ1.キーボードから文字を入力
  • ステップ2.ローマ字がひらがなになる
  • ステップ3.ひらがなを漢字に変換する
  • ステップ4.間違えた箇所を正しく直す

日本語入力で大変なのは、キーボードだけではありません。
また、ローマ字を暗記するだけでもありません。
変換と修正にも、かなり時間を取られているのです。
変換したのに、思いどおりの漢字が出なかったり
修正しようとして、もっとひどいことになったり
あなたも、身に覚えがありませんか。
ですから日本語入力では、キーボードはもちろんのこと
変換と修正の方法も身につける必要があるのです。

特に、修正機能は重要です

文章を書くときには、たくさんのミスがおこります。
ボタンを押し間違えるタイプミスだけではありません。
漢字を変換し間違えたり、かな使いを間違えて変換できなかったり、
そんなミスがたくさんあります。
ですから、修正機能はとても重要なのです。

それに、文章を書いたら、普通は何度も書き直しますよね。
修正機能は、そんな時にも活躍します。
直せば直すほど、文章が練られていくのですから
日本語を入力する際に、修正機能は欠かせないのです。

いきなり、キーボード練習ソフトは不要です

キーボードが苦手だからと、 いきなりキーボード練習ソフトで、
10本指入力に挑戦する人がいますが、
それはあまり効果がありません。

キーボード練習ソフトでは、ボタンの配置を覚えることはできますが
日本語変換の練習機能は付いていないので
変換や修正方法は身につかないのです。
10本指で打てるようになったとしても、
やっぱり修正機能を使うのですから、これを、さぼることはできません。

でも、変換と修正の方法をちゃんと身につければ
人差し指だけで、入力スピードは格段に向上します。

実際のトコロ、文章を書く時間のかなりの部分を推敲に使っているのです。
ここが早くなれば、それだけで入力スピードが上がるのです。
欲しい漢字が出てこないとか
直したらもっとひどくなったなんてコトは
もうありません。

変換と修正は、6個のキー

日本語入力では、変換と修正にもキーボードを使います。
使うボタンは、たったの6個です。
これも、上手に覚えれば、もっと少なくなります。

実は、この変換と修正について
パソコン初心者向けの解説書には詳しい説明がありません。
あったとしても、ちょっとだけです。
説明されなければ、誰も使えるようになりませんよネ。

このテキストでは、この2つも丁寧に解説しています。
操作自体はシンプルなので、すぐに覚えられるでしょう。
それに忘れたら、やっぱりカンニングすればいいのです。
ローマ字一覧といっしょに、変換と修正方法もまとめてあるので
安心してください。

「この4つを身に付ければいいんだね。 特に、文字の修正方法が重要だね」

キーボードを身につける3つのポイント。

キーボードを簡単に身につける方法
これが、その秘密です。
意外と簡単に思えてきたでしょ。

ここで、ポイントを整理しておきましょう

  • ポイント1.必要最小限のボタンだけ覚えよう
  • ポイント2.ローマ字で入力しよう
    覚えるボタンが20個ですむ
    – A・I・U・E・Oで半分覚えたことになる
    – ローマ字の組み合わせは、カンニングしよう
  • ポイント3.ちゃんと変換と修正方法を身につけよう

このポイントを押さえておけば
人差し指だけでキーボードが楽々と打てるようになります。
スピードも決して遅くありません。
手書きと同じくらいで打てるでしょう。
実際に、多くの方が人差し指だけでキーボードを打っています。

こんなキーボードの説明は、今までなかったと思います。
でも、キーボードを人差し指で打ってる人は
このポイントをちゃんと押さえているのです。

それでは、いよいよ具体的な操作を解説していきましょう。
各章は、次のように分かれています。

パソコンのキーボードに触るのは、ほとんど初めてという人は、
順番に読んでいくと良いでしょう。

とりあえず、Part3からPart6まで読めば、かなりキーボードで入力できるようになると思います。

ある程度パソコンを使っている人は、苦手な部分を読んでみてください。
実際に試しながら読んでいくと、理解が深まると思いますよ。

では、Part3. 「あいうえお」でわかるキーボードの基本をご覧ください。