カーソルが文字入力の中心です。

このPart8では、日本語入力の仕組みについて、
ほんの少し説明します。

さて、Part3で、AIUEOを使って
キーボードの基本動作を学びました。

キーボードは、キーを押すとその文字が入力されましたネ。
文字は、カーソル(ピコピコ点滅している縦棒)のトコロに表示されていきます。
ワープロの場合は、いつもカーソルが表示されているので
いつでも文字が入力できます。

メールを書くときやホームページで入力する場合は、
その場所をマウスでクリックすると、カーソルが表示されます。

文字を表示すると、カーソルは、その文字の後ろに移動します。
ですから、いつでも文末に文字が入力されることになります。

「文字入力は、カーソルがポイント。
カーソルの動きに注目してネ 」

さて、キーボードで文字を入力するときには、
このカーソルが中心になります。

文章の途中の文字を消したいときには、カーソルを移動してやりました。
[←](左矢印)キーを押して
消したい文字の後ろまで来たらストップです。
通り過ぎてしまったら、[→](右矢印)キーで戻りましょう。
ここで[BackSpace]キーを押すと、カーソルのひとつ前の文字が消されます。

途中の文字をまとめて消したいときには、
その言葉の前にカーソルを合わせるのではなく、後ろに合わせてやりましょう。
[BackSpace]キーは、後ろから順番に文字を消していくからです。
ついついカーソルを前に合わせたくなりますが、
これだと正しい文字を消してしまいます。

とにかく文字入力の中心は、いつでもこのカーソルなのです。
このカーソルの働き、ちょっとややこしいですね。
でも文字を入力するときは、ずーっとカーソルに注目していると、
失敗が少なくなりますヨ。

カーソルの動作を解説してみる。

文字入力は、カーソルを中心に働きます。
この動きを理解するため、一匹の猿を思い浮かべてみましょう。
名前は”かあサル”。

ダジャレでスミマセン。

この猿は、キーボードから受け取った文字を1文字づつ並べていきます。
文字を並べたら、自分はそこによじ登って、最後尾にぶら下がります。
次の文字を受け取ったら、一番後ろにくっつけて、また最後尾に移動します。


かあサルは、文字を並べて最後尾へ

 

[BackSpace](バックスペース)キーを押すと、
かあサルは、自分の前にある文字を捨ててしまいます。
最後尾にいるときは、一番最後の文字が消されるコトになります。


[BackSpace]キーが押されると、最後尾の文字を捨てる

 

[←]キー(左矢印)キーを押すと、猿は文字の上を左に移動します。
1回キーを押すと、1文字分移動します。
その位置で[BackSpace]キーが押してみましょう。
[BackSpace]キーで自分の前にある文字を捨てるのですから、
その位置の文字を消して、空いた隙間はかあサルがくっつけてしまいます。


[←]キーで移動したら、 [BackSpace]キーで
その位置の文字を消して隙間を詰める

さらに、その場で文字を入力してみましょう。
かあサルは、その場に文字をはさみ込んで、
自分は、挿入した文字の後ろに移動するのです。


かあサルを移動しておいて文字を入力すると
その位置に文字を並べて、後ろに移動する。

こうやって考えると、文字入力の動作がわかりやすいでしょ。
かあサルとカーソルが同じ動きになっているのは、言うまでもありません。

 

[おまけ] カーソルの語源

カーソル(Cursor)というのは、
もともと計算尺についていたガイドラインのコトだそうです。
いまどき計算尺なんて聞いても大半の人が知らないので
何のことだかさっぱりわかりませんけど・・・

計算尺はモノサシのような形の手動計算器で、透明なスライダが付いていて
そこ赤い細線が引いてあります。
この細線がカーソルで、これを目盛りに合わせて、計算結果を読みとります。

文字入力の基礎は、ずいぶん昔(1970年代)に開発されたので
当時の技術屋にはピンときたのでしょう。
でも、色んな用語がのっている分厚い英和辞典を調
べても
「パソコンで文字入力を即す点滅する縦棒」なんてことしか書ありません。
結局、パソコン用語にだけ残っているのでしょう。

日本語変換の動きを説明してみる。

キーボードの基本動作では、押されたキーをカーソルが受け取り、
文字として表示するのでした。
日本語変換がオンになっていると、押されたキーの情報は
いったん日本語変換が受け取り、”ひらがな”に変換してから
カーソルに渡します。

かあサルと、日本語変換サルがいっしょに仕事してる姿を想像してください。
日本語変換がオンになっている間は、
かあサルの前に日本語変換サルが割り込んでいるのです。
キーを押すと、その文字を変換サルが受け取って、ひらがなに変換します。
そして[Enter]キーを押すと、それらの文字をまとめて、かあサルに渡します。
これが確定です。

この様子は、そのまま文字入力欄に表示されるので、
私たちも見ることができます。
文字の下に点線が表示されている間は、変換サルが文字を持っています。
[Enter]キーで確定すると受け持ちが変わるので、
文字の下の点線が消えるのです。

[Enter]キーを押すタイミングによって、
文字の受け持ちが交替するのがポイントです。
文字キーが押されてから[Enter]キーが押されるまでは、
変換中なので変換サルが仕事をしています。
[Enter]キーを押して確定すると、その文字は、
かあサルの受け持ちになるのです。

キーボードの基本操作は変わりませんが、あいだに日本語変換が入ることで、
英数字を日本語に変換しているコトがわかりますか?
このおかげで、特殊なキーボードを使わなくても日本語が入力できるのです。

日本語の修整方法。

キーボードの基本動作では、[BackSpace]キーと
[←]キーを利用して、入力間違いを修正しました。
[BackSpace]キーは文字を消し、[←]キーはカーソルの移動です。
日本語変換がオンの時も、この動作は変わりません。
日本語変換は、キーボードの基本動作に追加の形になっているので、
こういうトコロは共通なのです。

次のようなの例で確認してみましょう。
“あいうえお”と入力したつもりが、”あいいうえお”となっていたのです。
“い”が1文字多くなっていますネ。

まず、[Enter]キーで確定しちゃった場合を考えてみましょう。
“あいいうえお”の下の点線は、もう消えています。
こういう場合は、英数字の”aiueo”と同じです。
[←]キーでカーソルを移動し、[BackSpace]キーで文字を消します。

 確定後は、かあサルが受け持ち
同じ基本動作で修整できる

文字を確定した後は、かあサルの受け持ちになっていますから、
[←]キーや[BackSpace]キーの働きは、まったく同じです。
英数字(aiueo)とひらがな(あいうえお)で違いはありません。
日本語変換がオンになっていても、特に変換中の文字がなければ
確定済みの言葉を修整することになるのです。

今度は、確定前の修整を考えてみましょう。
[Enter]キーで確定する前に間違いを見つけた場合も、基本動作と同じです。
[←]キーで移動して、[BackSpace]キーで文字を消します。
[←]キーを押すと、変換中専用のカーソルが登場するので、
これで文字を修正するのです。


確定前は、変換サルの受け持ち
同じ基本動作で修正できる

日本語変換の最中に[←]キーか[BackSpace]キーを押すと、
この確定前の文字を修正できます。
でも確定前の文字は、かあサルではなく変換サルの受け持ちです。
ですから、確定前の修整は、
この変換ザルが持っている文字の修正になります。

この例では見かけの動作は変わりませんが、
確定前と確定後では受け持ちが違っています。
そのため、 もう少しややこしい例だと、修整の動作が微妙に違ってきます。

日本語の修整方法 (少しややこしい例)

日本語変換の修整方法は、キーボードの基本動作とほとんど同じです。
今度は、もう少しややこしい例で考えてみましょう。
文字を確定した後でカーソルを移動して、
途中に日本語を追加するのです。

まず”あいうえお”と入力して確定します。
[←]キーでカーソルを戻したら、”あああ”と入力します。
ここで[Enter]キーを押して確定すれば、
日本語を追加することができます。
この操作も、基本動作と同じですよネ。
違うのは、日本語を入力するたびに[Enter]キーを押すトコロだけです。


確定済みの文字がある時も
同じように文字を挿入する

でも、変換中に、すでに確定した文字を修整したい場合は、
ちょっと様子が変わってきます。

こんな例を考えてみましょう。
“あいうえお”と入れるつもりが、”あいいうえお”と間違えました。

前回の例と同じように”い”が1文字多くなっていますネ。
この間違いに気が付かないで確定した上に、
[←]キーでカーソルを戻して”あああ”と入力してしまったのです。
この”あああ”を確定する前に、
すでに確定済みの”あいいうえお”を修整できるでしょうか。

実は、変換中に修整できるのは、変換中の文字だけです。
今は、”あああ”を変換中ですよネ。
ですから[←]キーを押しても、”あああ”の中しか移動できません。
“あいいうえお”にはカーソルが移動しないので
修整できないのです。

変換中は、確定済みの文字を修正できない
[←]キーでも、”あああ”の中しか動けない

ここでのポイントは、かあサルと変換サルの受け持ちです。
変換中 = 確定前の文字(あああ)は、変換サルの受け持ちですよネ
確定済みの文字(あいいうえお)は、かあサルの受け持ちになります。
変換中は変換サルが作業をしているので、
かあサルは仕事にかかることができないのです。

確定済みの文字に間違いを見つけても、
他の文字を変換中には修正することができません。
必ず、今変換中の文字を確定してから変換するコトになります。
ちょっと面倒ですが、あわてず順番に直していきましょう。

面倒ですが、必ず確定してから修整します

見えない文字は、どう入力しているのか。

第2章で、スペースと改行について説明しました。
ここでは、その仕組みを解説しましょう。

[スペース]キーを押すと、”空白”文字が挿入される

目には見えませんが、スペース(空白)も文字の一種です。
[スペース]キーを1回押すと、”スペース”文字が1文字入力されて
空白が1文字分空くのです。
たくさん隙間を開けたいときには、何回か[スペース]キーを押します。

[スペース]キーを3回押すと、空白文字が3コ挿入される

空白を消したいときには、
普通の文字と同じように、[BackSpace]キーで消しました。
これも、空白文字を消しているためです。

もう一つの特別なキーは[Enter](エンター)キーでした。
[Enter]キーも、 “改行”文字が入力されます。
この”改行”文字は”スペース”文字と同じように目に見えません。
目には見えませんが、”改行”文字を入力すると、そこで行はおしまい。
カーソルは自動的に次の行に移るのです。

目に見えない文字なので修正が大変ですが
見えない文字を意識すると、ちょっと簡単になります。

[Enter]キーと[スペース]キーの役割。

日本語の変換中は、キーボードの動作が少しだけ違ってきます。
先ほど説明したように、変換中は文字の受け持ちが違っているためです。
前に、特殊なキーとして[Enter]キーと[スペース]キーを紹介しましたが、
この2つはの働きは、どんなふうに違っているでしょうか。

[Enter]キーは、これまでも何度も出てきましたネ。
日本語変換中は”確定”キーになりました。
もうこれ以上変換しないという時に[Enter]キーを押すと
文字が確定されて、かあサルに渡されるのです。

基本動作では、[Enter]キーは”改行”として働きました。
[Enter]キーを押すと、その行は、そこでおしまいになり、
次の行にカーソルが移るのです。
日本語変換がオンになっていても、
変換中の文字が無いときは、
[Enter]キーを押すと”改行”になります。

[Enter]キーの2つの役割

確定:変換中の文字があるとき

改行:変換中の文字がないとき
日本語変換がオフのとき

このように、[Enter]キーには2つの役割があります。
たくさんの日本語の文章を入力していく時には、
この2つの役割を上手に使い分けていきます。
[Enter]キーで、入力した文字を確定し、
行末に来たら改行するのです。
行末では、確定と改行のため、
2回連続で[Enter]キーを押すことになります。

これを、下の文字入力欄を使って試してみましょう。
この練習欄は複数の行を入力できるようになっています。

“あああ”と入力して[Enter]キーで確定します。
続いて”いいい”と入力して[Enter]キーで確定します。
確定してから、すぐに次の文字を入力しているので、
“あああいいい”と、同じ1行になっています。

さらに”ううう”と入力したら[Enter]キーで確定します。
その場で、もう一度[Enter]キーを押しましょう。
変換中の文字がないので、これが”改行”になるのです。
ここで、”えええ”と入力して確定すると、2行目に表示されます。

1行目が、”あああいいいううう”となりましたネ。
2行目には、”えええ”となっています。
“ううう”と入力した後に、[Enter]キーを2回連続して押しています。
この1回目が確定で、2回目が改行です。

 

では、もう一つの特別なキー[スペース]キーはどうでしょうか。
キーボードの基本動作では、[スペース]キーは空白の入力に使いました。
日本語変換中には空白の入力はできません。
また別の特別な役割に使うのです。

この役割については、まだ説明していませんが、
他のキーでも代用することができます。
というか、そちらのキーを使うことの方が多いようです。
ですから、日本語変換中には[スペース]キーは使わない
と、覚えておけばいいでしょう。

日本語の文章中に空白を入力したい場合は、
先に、入力中の文字を確定してから
[スペース]キーを押してやります。

練習するトコロ

1.四角い場所の中に、矢印(マウスポインタ)を合わせる。
2.その場でクリック(マウスの左ボタンをカチッと押して、すぐはなす)
3.左上で、タテ棒がピコピコ点滅し始めたら、練習の準備完了

空白は、確定してから入力します

[Enter]キーで複数の行を作る。

[Enter]キーは、日本語変換の確定と、改行のためのキーでした。
2つの役割があるので、確定しようと思って何度か押しているうちに、
押しすぎて行が2つに分かれてしまったなんてコトはありませんか。

第2章で、改行文字について説明しました。
文章の最後で[Enter]キーを押すと、そこに「改行文字」が入力されて
それ以降は、次の行に入力されるのでした。

日本語変換中は、[Enter]キーは”確定”の役割をします。
入力した文字に下線や点線が表示されていたら、日本語変換中です。
細かいので見えにくいかも知れませんが、
ここで[Enter]キーを1回だけ押すと確定されます。
だから、慌ててもう1回押すと、改行されてしまうのです。
変換中かどうか判断するには、下線を確認しましょう。

[Enter]キーの2つの役割を、ちゃんと使い分けよう

この見えにくい下線は、もっと見やすくできるのですが、
それは第8章で説明します。

[Enter]キーで入力した「改行文字」は、
スペースと同じように目に見えません。
ただし、アプリケーションソフトによっては表示されるコトがあります。
例えば、マイクロソフトのワードでは、こんな記号が表示されます。

Wordでは、改行文字が表示されます

[Enter]キーにも、この記号が刻印されてますよネ。
これが、改行文字を表しています。
Outlook Expressなどのメールソフトでは表示されないので、
自分でこの記号を意識する必要があります。

改行は、行のおしまいを決める操作ですが、
それだけではありません。
基本は、改行という文字を入力するキーなのです。

これで[Enter]キーを使って、複数の行を入力できるようになりました。
この時、上下の矢印キー[↑][↓]で、カーソルを自由に動かせます。
以前に入力した行に間違いがあったら、
その行まで[↑][↓][←][→]キーで移動して、
文字を入れ直せば良いのです。

少し遠くに直したいトコロがあったら、
そこをマウスでクリックしてもOKです。
自動的に、その位置にカーソルが移動します。

練習するトコロ

1.四角い場所の中に、矢印(マウスポインタ)を合わせる。
2.その場でクリック (マウスの左ボタンをカチッと押して、すぐはなす)
3.左上で、タテ棒がピコピコ点滅し始めたら、練習の準備完了

行の変わり目を変更する。

とても単純なことを説明しているのですが
この解説は、ちょっと長めになってしまいました。
じっくりと読んでみてください。

さて、メールを書いたり、ワープロで文書を作るときには
たくさんの文章を書きますよネ。
ほんの1行ではなく、何行も文章を書くコトになります。
こんなふうに複数の行を書くときに、
行の変わり目を変更するには、どうすれば良いでしょうか。

行の変わり目は、「改行文字」によって決まりました。
行の変わり目を変更するということは、
改行文字を削除したり追加すると言うコトです。

試しに、こんなふうにしてみましょう。
行の途中で[Enter]キーを押してみます。

①下の方にある文章入力欄をクリック
②適当な長さの文章を入力する    例:あああああいいいいい
③カーソルを文章の途中に移動する
④[Enter]キーを押す


行の途中で[Enter]キーを押すと、行の分割

見事に1つの行が、2つの行に分割されますネ。

ここでは、日本語変換の確定ではなく、改行文字を入力するために
[Enter]キーを押しています。
ちょうどカーソルがある位置に改行文字が入力されて、
行が分割されるのです。
文章の修正中に、むやみに[Enter]キーを押すと
行が分割されてしまう理由がわかりましたか。

では、改行文字を削除してみましょう。
文字の削除ですから、[BackSpace]キーか[Delete]キーを使います。
それぞれの場合で、実験して見ましょう。

[BackSpace]キーの場合

①分割した2行目の先頭にカーソルを移動する
②[BackSpace]キーを押す

カーソルを合わせる位置がポイント!

これで、分割された行がひとつになりましたネ。

[BackSapce]キーは、カーソルの1つ前の文字を消すんでした。
今回は、2行目の先頭にカーソルを起きましたよネ。
2行目の先頭の、1つ前の文字は何でしょう?
そうです。
1行目の最後尾にある「改行文字」です。
(「改行文字」も文字の一種だったコトを思い出してください)
[BackSpace]キーが、この「改行文字」を削除したので、
分割されていた行が、1行にまとまったのです。
もう一度[Enter]キーを押して行を分割したら、
今度は、[Delete]キーで試してみましょう。

[Delete]キーの場合

①分割した1行目の最後にカーソルを移動する
②[Delete]キーを押す

今度は、改行文字の前にカーソルを合わせる

これまた、2つに分割された行がひとつにまとまりました。
[Delete]キーは、カーソルの後ろにある文字を消すんでした。
1行目の最後尾にカーソルをおくと、
そこは改行文字のすぐ前になります。
ここで[Delete]キーを押すと、この改行文字を削除するので、
2つに分割された行が、ひとつになるのです。

何度も繰り返しやってみると実感がつかめると思います。
目に見えない改行文字を削除するので、ちょっとわかりにくいですが、
改行文字の有無で、行がくっついたり離れたりするのを
面白がってみてください。

今日の操作をまとめると、こんなふうになります。

ひとつの行を、ふたつに分割する

  分割したい位置にカーソルを合わせて、[Enter]キーを押す
ふたつの行をひとつにまとめる

  [BackSpace]キーの場合
2行目の先頭にカーソルを合わせて、[BackSpace]キーを押す

  [Delete]キーの場合
1行目の最後尾にカーソルを合わせて、[Delete]キーを押す

 

[BackSpace]キーを使うか[Delete]キーで、カーソルを置く位置が違います。
改行文字を、どちらの方向から消すかで違ってくるのです。
どっちを使うかは、あなたのお好みでどうぞ。

文字の削除に[BackSpace]キーを使っているなら、
ここでもそれを使うのが良いでしょう。
そうすれば、覚えておくキーがひとつで済みます。

どちらのキーでも使えるなら、
動作のわかりやすい方を使えば良いでしょう。

理想を言えば、両方の違いを意識して、
状況に合わせて使い分けるのが一番ですが、
いきなり、それを目指すのは大変かも。
気楽なトコロから行きましょう。

練習するトコロ

1.四角い場所の中に、矢印(マウスポインタ)を合わせる。
2.その場でクリック (マウスの左ボタンをカチッと押して、すぐはなす)
3.左上で、タテ棒がピコピコ点滅し始めたら、練習の準備完了

空白行を作る。

[Enter]キーを使った改行のイメージがつかめてきましたか。
今度は、何も文字がないトコロで改行すると、どうなるか見ていきましょう。

[Enter]キーを押すと改行しますよね。
では[Enter]キーを何度も押すと、どうなるでしょうか?
そうです。何も文字が入ってない行ができるんです。
これが「空白行」。


空白行は、何も文字を表示しない「改行文字」だけの行

繰り返し改行すると、その回数分だけ「改行文字」だけの行ができます。
「改行文字」は表示されませんよネ。
何も文字を入力してないので、この行は何も表示されないのです。

空白行は、行と行の間を調整するために使います。
何も表示されないので、空白行の分だけ、行間がひらいたように見えるのです。

空白行を削除するには、その行の改行文字を削除してやります。
文字の削除には、[BackSpace]キーか[Delete]キーを使うのでした。
改行文字の削除も同じです。

消したい行にカーソルを合わせて、[BackSpace]キーか[Delete]キーを押すと
空白行が削除されます。

[BackSpace]キーを押した場合は、
ひとつ前の文字を消すので、その直前の行の改行文字が削除されます。
すると、その行と直前の行がひとつにまとめられて、
空白行が消えたように見えるのです。

[Delete]キーを押した場合は、
直後の文字を消すので、その空白行の改行文字が削除されて
その直後の行が、ひとつ繰り上がります。

[BackSpace]キーか[Delete]キーで改行文字を消しているので、
二つの行がひとつにまとめられているのです。
でも、一方の行には文字がないので、まとめられる様子が見えません。
ただ、空白行だけが削除されたように見えるのです。

練習するトコロ

1.四角い場所の中に、矢印(マウスポインタ)を合わせる。
2.その場でクリック (マウスの左ボタンをカチッと押して、すぐはなす)
3.左上で、タテ棒がピコピコ点滅し始めたら、練習の準備完了

テキストデータの構造。

コンピュータ業界では、文字だけの文書データのコトを
「テキスト」(Text)と呼びます。
“Text”とは、英語で”文書”のコトです。
教科書のコトではありません。

「テキストデータ」は、ワープロやメールの元になるデータです。
どのソフトも、このテキストを基本にして文書を保存しています。
「テキストファイル」と言えば、テキストデータを保存したファイルのコトです。
テキストファイルには、ファイル名の末尾に”.txt”とつけるのが一般的です。

テキストはあくまで文書を保存するためのモノなので
改行位置を直す場合など、不思議な現象が色々起こります。
目に見えない文字が、どうして必要なのでしょうか。
これは、テキストデータの構造を知ると、意味が分かると思います。

普通、文章を書くというと原稿用紙や便せんを思い浮かべますよね。
縦横に並んだマス目が紙の上にあって、それを埋めていく感じです。
この想像図は、直感的にわかりやすいんですけど欠点もあります。
まだ一文字も書く前からマス目を用意しておかなくちゃならないので、
コンピュータの能力をそれに取られてしまうのです。
例えば、400字詰め原稿用紙には、20×20個のマス目が必要です。
まだ一文字も書く前から、これだけのマス目がいるのです。
(具体的には、メモリやファイル容量を圧迫する事になります)

そこで、テキストデータでは、もっともシンプルな構造を採用しています。
次のように、マス目がヒモのように1列に並んでいるのです。
各マス目には文字が格納され、それが文書の量だけ伸びていくのです。

テキストデータは、原稿用紙でなく
文字がヒモのように並んでいる。

行の末尾には改行文字が入ります。
次の行の文字は、そのあとに続けて格納されます。
とにかくずーっと1列につながっているのです。
行と行の境目は、改行文字で判断します。

メールソフトやワープロソフトなど
テキストデータを表示するソフトは、
この列を適当なトコロで折り曲げて表示しているのです。
先頭から順番に表示していって、
改行文字が登場したら、次の行に表示します。
実際のデータは、1列のヒモがつながったままです。

そのために、行の途中に改行文字を挿入すると
そこで行が分かれて、2つの行に分かれるのです。
というか、分かれたように見えるのです。
改行文字を削除すれば、
分かれていた行が、ひとつとして表示されます。

メールなどのテキストを表示するソフトが
文字の列を分割して表示してくれる

この方式では、入力した文字の分だけマス目を用意すれば済んじゃいます。
400字詰め原稿用紙に書く場合でも、最初からマス目はいりませんし、
ちょっとだけ書くだけなら、それだけデータ量が小さくなります。

この方式は、人間の都合を考えないコンピュータ本意の発想です。
でも、これが発明されたのは1970年代の、
まだコンピュータがものすごく高価だった時代だったのです。
そして、一度発明された方式は簡単には変化しません。
日本語入力の変換方式と同じように、
これからも生き残っていくでしょう。

では、このPartはこれでお終いです。
続いて、「Part9.もっと早くなりたい!」に進みましょう。