MeCabのライセンス変更事例

Seaweed Attack!! By seanmcgrath CC BY 2.0

オープンソースライセンスは、条件がそろえば変更することができます。そのひとつが、著作権者(の全員)が同意した場合。古い事例ですが、MeCabの例を紹介しましょう。

MeCab: Yet Another Part-of-Speech and Morphological Analyzerは 京都大学情報学研究科と日本電信電話株式会社コミュニケーション科学基礎研究所の共同研究ユニットプロジェクトを通じて開発されたオープンソース形態素解析エンジン。言語・辞書・コーパスに依存しないよう汎用的に設計されています。

形態素解析とは、たとえば「日本テレビ東京」といった文字列を「日本」「テレビ」「東京」といった人間にとって意味のある文字要素に分割するツール。日本語変換ツールや、Webサイトの文章解析などに利用されます。

このMeCabは、2006年7月リリースのバージョン0.93から、ライセンスをLGPLからBSD,LGPL,GPLのトリプルライセンスに変更されました。これは、アップルをはじめとする複数の方から要請を受けてのことだという。その結果、iPhoneやMac OS Xなどにも利用されているそうです。

その後、アップルがiPhoneなどで、アプリケーションを配布/販売するのAppStoreがクローズドな方向に転換したとき、MeCabの開発者から、ちょっと批判的なコメントが出ました。

まあ、アップルの方針転換で、MeCab自体がクローズドになってしまったわけではありませんし。いまでも、アップルは自社に役立つオープンソースソフトウェアの開発/支援をしていたりするのですが・・・。