マイクロソフトのジレンマとライセンス戦略

こちらは、InternetMagazineで森 洋一さんが連載している 米国企業IT戦略レポート~フロム・シリコンバレーを紹介。少し前に、OpenOffice.orgとそのバリエーションの最新動向についてレポートしていました。

今回のFSV #40 マイクロソフトのジレンマ | All-in-One INTERNET magazine 2.0は、Microsoftのオープン化戦略について、詳しく取り上げています。


企業のオープン化戦略について考えるとき、それが「オープンソース」なのか「オープンスタンダード」なのか、「オープンプラットフォーム」なのか、区別して議論するのが良いと思います。オープンソースが流行してくると、「うちもオープンです!」という企業が出てきたりしますが、詳しくみると、ただのオープンプラットフォーム(実は独自開発をやめて、UnixかWindowsに対応しただけ)なんていうのがありました。以前のサンは、”オープンスタンダード準拠だからいいじゃないか”というメッセージを発していましたが、OpenOffice.orgが注目を集めだしてから、オープンソース路線に変わりました。

オープンソースでは、その出自からして「オープンソースの定義」を明確に打ち出し、他との違いを明らかにしてきました。ですが、そんなオープンソースをきちんと理解しないで、オープンなら何でもアリというような発言も結構ありましたよね。

さて、Microsoftは、どうでしょう。彼らは、オープンソース対応を謳っていますが、オープンソースとそうでない物を混ぜ合わせつつやっているように見えます。たとえば、「非営利目的ならソースコードを自由に使える」とか。また、以前に発表したシェアードソースライセンス(SSL)では、オープンソースとそうでないライセンスを複数用意してみたり。そのような利用条件の区別を採用するのは、オープンソースではないのですが、そこを混乱させることでオープンソースの価値を弱めようとしているように見えます。

シェアードソースライセンスについては、以前に「その真意は! Microsoft、2つのライセンスがオープンソースライセンスと認定」として解説したものが参考になるかも知れません。