前のエントリーから数ヶ月たっているんだけれど、気になるポイントがあったので追記しておきましょう。これは、コメント欄で、nogajunさんが指摘してくれているポイントでもあります。また、NECの姉崎氏が、OBCIのメールマガジン(第18号)でも取り上げています。
「License」タグアーカイブ
こんなブログの投稿がありました。
ブログ感覚だと、ちょいと古いんですけどね。
オープンソースの中には、成果が永遠にみんなのもので*ない*奴もありますよ。修正BSDライセンス(日本語参考訳)とか。で、改変の連鎖を担保するのはライセンスだけではなく、Apache財団のような組織の場合もある。
ネットだから気をつけたい! 著作権の基礎知識 ほか、
gihyo.jp(技術評論社のWebサイト)に、著作権を解説する連載が、いくつか上がっていたのでメモ。どこぞの企業の法務の人が書いているみたい。
GCC4.4でGPLv2のバイナリを作ると配布は・・・
kinneko@転職先募集中の日記経由、gccのライセンスがGPLv3になって、一部弊害とかあるらしい。
- 革命の日々! A new GCC runtime library license snag?
- 「GCC runtimeのライセンスが、gcc 4.4からGPLv3になった」 – kinneko@転職先募集中の日記
オープンソースソフトウェアの育て方
とりあえずメモ。
ざっと眺めた感じだと、その網羅性の高さがすごい。
日本語訳を作成したお二人もエライ。
本書は、原著も訳書も、全文を CreativeCommons Attribution-ShareAlike (3.0) で公開している。
日本語訳は、Webを元に書籍版が出るので、書籍のほうが高品質だとか(w
ライセンス周りの説明も分かりやすい。
という一方で、コミュニティは全て共通という訳でもないしなー、なんて思ったりするのは、耳が痛い話や身につまされる話が一杯書いてあるから。
派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか3
さて、前回の質問の方から、追加の問い合わせがあったので、その回答も掲載しておきます。
- Placebo Effect » 派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか
- Placebo Effect » 派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか2
今回の質問は、「ソースコード公開は、製品を購入した相手だけで良いのか?」という物。ひとつ前の記事で取り上げた「Linux通へのステップバイステップ:ちょっぴりLinuxの開発/配布体制が語れるようになる基礎知識 (1/2) – ITmedia エンタープライズ」に、次のような記述があったので、その再確認でした。
なお、よくある勘違いは、GPLなら誰でもソースを無償で入手できるということである。例えば、あるメーカーがGPLのソフトウェアを搭載した製品を発売していたとしても、そのソースを要求できるのは、製品を購入したユーザーのみである。メーカーは他者に公開する義務を持たない。また、製品を持っているユーザーが無償でソースを入手できるとは限らない。メーカーは無償でソースを提供する義務はなく、有償でも問題ない。以上の点に注意していただきたい。
これは、GPLの実行形式コードの再配布に関する条件に対応しています。GPL2の日本語参考訳では、次のようになっています。
◎複製、頒布、改変に関する条件と制約
3. あなたは上記第1節および2節の条件に従い、『プログラム』(あるいは第2節における派生物)をオブジェクトコードないし実行形式で複製または頒布することができる。ただし、その場合あなたは以下のうちどれか一つを実施しなけれ ばならない:
a) 著作物に、『プログラム』に対応した完全かつ機械で読み取り可能なソースコードを添付する。ただし、ソースコードは上記第1節および2節の条 件に従いソフトウェアの交換で習慣的に使われる媒体で頒布しなければならない。
あるいは、
b) 著作物に、いかなる第三者に対しても、『プログラム』に対応した完全かつ機械で読み取り可能なソースコードを、頒布に要する物理的コストを上回らない程度の手数料と引き換えに提供する旨述べた少なくとも3年間は有効な書面になった申し出を添える。ただし、ソースコードは上記第1節および2節の条件に従いソフトウェアの交換で習慣的に使われる媒体で頒布しなければならない。
あるいは、
c) 対応するソースコード頒布の申し出に際して、あなたが得た情報を一緒に引き渡す(この選択肢は、営利を目的としない頒布であって、かつあなたが上記小節bで指定されているような申し出と共にオブジェクトコード あるいは実行形式のプログラムしか入手していない場合に限り許可される)。
これは実行形式のコードを配布する場合の条件です。a) or b) or c)です。
a) ソースコードを添付する
b) ソースコードを提供する申し出を添付
c) あなたが入手時に得た情報を引き渡す(ただし、非営利)
この記事は、b)の例を説明しているのだと思います。
派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか2
先週の派生Linuxディストリビューションの質問から1週間。最近は、自宅では週イチくらいしかネットに接続しないので、あんまり頻繁にアップデートできませんでした。
さて、先の記事には、nogajunさんから非常に役立つコメントを頂きました。ありがとう。特に、SourceForge.JP Magazineの記事は大変分かりやすかったです。そのほか、関連リンクを整理しておきます。
- GPLの規約が派生ディストリビューションに及ぼす憂慮すべき影響 – SourceForge.JP Magazine
- Trademark Policy | Ubuntu
- ミラクル・リナックス評価版の使用権許諾書: 編集著作権を主張しています
- Linux通へのステップバイステップ:ちょっぴりLinuxの開発/配布体制が語れるようになる基礎知識 (1/2) – ITmedia エンタープライズ
- Linux通へのステップバイステップ:ちょっぴりLinuxの開発/配布体制が語れるようになる基礎知識 (2/2) – ITmedia エンタープライズ
ITmeidaの記事は、オープンソースマガジン2005年11月号「Linuxディストリビューションのいま」を再構成したものだそうです。
派生Linuxディストリビューションのライセンスは、どのように設定するのか
とある会社から、Ubuntuをベースにした派生Linuxディストリビューションは、”GPLを継承”するのか、その場合ソースコードはどこまで公開するのか、という質問を頂きました。私は、法律や契約の専門家ではありませんし、独自でディストリビュ-ションを作ったこともありませんので、どこまで信用できる情報を提供できるか不明確ですが、私見をこちらにも転載します。