コピペのバリエーション。

文章を編集するときは、「切り取り&貼り付け」を多用します。
一度入力した文章を、推敲するたびに消したり入力するのは
バカバカしいので、この機能で上手に再利用する訳です。
これだけで、文章作成の効率はずいぶん上がるでしょう。
文字入力が早くなくても大丈夫なのです。

さて「切り取り&貼り付け」には、他のバリエーションもあります。
皆さん、よくご存じなのが、
[編集]メニューの代わりにツールバーのボタンを使う方法です。

[編集(E)]メニューの代わりに、このボタンでもOK!

さらに、こんな操作もあります。
これは、範囲を選択してから、いちいちメニューやツールバーまで
移動するのが面倒だというズボラな人向け。
選択した範囲を右クリックするのです。

右クリックで、このメニューが表示されます

すぐにメニューが出てくる「近道」テクニックです。
ちなみに、この右クリックで表示されるメニューを
ショートカットメニュー(Short Cut:近道)と呼びます。

このように文章の移動は、色々な操作で可能です。
整理すると、こんなふうになります。
選択のトコロは、全部共通ですね。
また操作は違っても、やってるコトは同じです。

切り取り&貼り付けの操作一覧

これらの操作を、全部を覚える必要はありません。
まずは、覚えやすい方法だけ覚えましょう。

コピペの仕組み。

「コピペ」って何でしょう。
ずいぶんヘンテコな名前ですね。
実は「切り取り&貼り付け」のコトです。

「切り取り&貼り付け」機能は、「コピー&貼り付け」機能とも呼びます。
編集メニューの[切り取り(T)]の代わりに、[コピー(C)]を使えるからです。
[貼り付け]は、英語でペースト(Paste)と言います。
で、「コピー&ペースト」機能、略してコピペ。

このコピペでは、色んな操作方法が使えましたネ。
でも、パソコンの中でやっているコトは同じです。
そのおかげで、[編集(E)]→[切り取り(T)]で切り抜いた文章を、
<貼り付け>ボタンでコピペするなんてコトが可能です。

色んな操作方法がけど、交換できるんだ

 

では、このコピペ、どんな仕組みになっているんでしょう。
これを理解すれば、もっと便利に編集ができるようになりますから
ちょっとおつきあいくださいませ。

コピペは、クリップボードという仕掛けを使います。
クリップボード(ClipBoard)は、紙ばさみ(クリップ)がついた
下敷き(ボード)のような文房具です。
すぐに読みたいメモや書類をはさんでおくのに使います。

パソコンのクリップボードも同じです。
このクリップボードに、文章を一時的に保存しておいて
必要な時に取り出すのです。

文章を”切り取る”と、クリップボードに保存されます。
そして、それを”貼り付け”ると、クリップボードの内容が転写されて
文章が移動したように見えるのです。

コピペの仕組み

コピペには色んな操作がありましたが、
どの操作もクリップボードを使う点は同じです。
だから、、[編集(E)]→[切り取り(T)]で切り抜いた文章を、
<貼り付け>ボタンでコピペするなんてコトが可能なんです。

コピペの秘密。

コピペを実現するクリップボードは、
ワープロやメールソフトではなく、Windowsの中にあります。

すべてのアプリケーションソフトは
Windowsの上で動いています。
メールソフトから”切り取り”された文章は、
Windowsのクリップボードに保存されます。
ワープロで”貼り付け”とやると、
クリップボードに保存されていた
メールソフトの文章を取り出すのです。

このおかげで、メールソフトの文章を
ワープロで再利用できるのです。
もちろん、その逆も可能です。

クリップボードは、Windowsの中にある

ほとんどのWindows用アプリケーションソフトは
クリップボードを利用したコピペ機能を持っています。
と言うことは、ほとんど全てのソフトで
文章を交換できるのです。

コピペには、色んな操作方法がありました。
色々ありすぎて覚えるのが大変かも知れません。
でも、これにも理由があります。

もしも、操作方法が一種類しかなかったら
それ絶対に覚えなくちゃなりませんよネ。
これは結構プレッシャーです。
でも、いくつか操作方法があるのだったら、
あなたが覚えやすいモノだけ覚えれば良いのです。

どれか覚えやすい操作を身につけようネ

「切り取り&貼り付け」は編集機能の一部なので
「とにかく編集メニューを見る」とだけ覚えておくのも良いでしょう。
また、右クリックすれば、どんな時でも
メニューに「切り取り&貼り付け」のメニューが表示されますから
「とりあえず右クリック」と覚えるのも手ですネ。

パソコンに慣れてきたら
いくつかの操作方法を使い分けると良いでしょう。
アプリケーションソフトによっては、
特定の操作ができないコトがあるからです。

例えば、ホームページを表示するInternetExplorerには
<切り取り>ボタンや<コピー>ボタンがありません。
ホームページの文章をメールに使いたい場合には、
他の操作を利用しなくちゃならないからです。

でも、これは慣れないウチには大変なので
カンニングすれば良いでしょう。

単語を探して置き換えるには。

文章の編集機能は、[編集(E)]メニューに集っています。
この編集メニューには、コピペの他にも便利な機能があるので
今度はそれを紹介してみましょう。

まずは検索機能です。
たくさんの文章を書くと
「あの言葉は、どこに書いたかな?」なんてコトがあります。
そんな時に、その言葉を探しだして、
その位置にカーソルを移動してくれるのが、検索機能です。

検索機能は、InternetExplorerなどブラウザでも使えます。
このページで、ちょっと練習してみましょう。

1:[編集(E)]→[このページの検索(F)]を選ぶ
2:「検索」ダイアログボックスが表示されたら、
検索したい単語を入力する

例:キーボード

3:<次を検索>ボタンをクリックする

検索ダイアログで、検索を実行

ほら、”キーボード”という文字へ移動しましたネ。
もう一度同じボタンをクリックすると、次の単語を探し出します。
検索が終わったら、ダイアログボックスの<キャンセル>ボタンを押しましょう。

検索機能は、ほとんどのアプリが持っています。
ブラウザの他にも、ワープロやメールにも装備されています。
大量の文章がある時には、とても便利ですよね。

もうひとつの編集機能は「置換」です。
これは検索機能の発展型です。
文章の中から特定の言葉を探し出したら
それを別の言葉に置き換えたい場合があります。

例えば、文章中の”貼り付け”という言葉を
“貼付”で統一したいとか。
書いてる最中は、適当に混ぜて使ってるんですけど
やっぱり人に読ませるとなると、ちゃんと統一しておきたい。
そこで、”貼り付け”を検索して、自動的に”貼付”に置き換えてくれる。
それが「置換」機能です。

これもためしてみましょう。
ブラウザには「置換」機能はありません。
ワープロかメールソフトで試してみましょう。

1:メニューから[編集(E)]→[置換(E)]を選択する
2:ダイアログボックスが表示されたら、検索する言葉と
置き換える言葉を入力する

3:<置き換え>ボタンをクリックする


これで文章中の単語がすべて置き換えられます。

このように、検索と置換機能を使うと、
文章の作成が、さらにさらに効率よくなるのです。

もしかすると、アプリケーションによって
呼び名が少しづつ違っているかも知れませんが
どちらの機能も、必ず編集メニューに入っています。

色んなアプリで試してみましょう。

文章修正のまとめ

文章の修正方法を解説してきました。
まず間違えないコトが一番ですが、なかなかそうも行きません。

基本的に、間違いの修正には、
[←][→]キーと[BackSpace]キーを使います。
これを使って間違いを削除し、正しい文字を再入力するのです。

日本語の変換中に間違いに気づいたら
[ESC]キーで変換前に戻してから、間違いを削除します。
確定してから間違いに気づいたら、
すぐに間違いを消しましょう。

ローマ字の組み合わせを間違えて変換すると
何だか訳のわかんないコトになりますが、
ほとんどの場合、パソコンではなく、あなたの入力が間違っています。
たとえば、こんなところで間違うことが多いようです
どこをどう間違えたのか、じっくり見極めましょう。

何度かそんな場面に遭遇すると、
いつも同じパターンで間違えてるコトを発見するかも知れません。
そうなればしめたモノです。
そのパターンに気をつければ、間違いはグッと減るでしょう。

[BackSpace]キーの代わりに
[Delete]キーでも文字を削除できました
でも、この二つは混乱しやすいので、
どちらか一方を使うのがお勧めです。

 

さて、もうひとつ重要なのは
文章を推敲するための機能でした。
間違いを直すのではなく、
書き手が、気に入らない部分を直すための機能です。

これらは、[編集(E)]メニューに集中していました。
特に、間違った操作を「元に戻す」機能が便利でしたネ。

また、文章をまとめて移動する方法についても説明しました。
色々な操作がありましたが、上手に使い分けると良いでしょう。
慣れないウチは、どれか一つだけに決めて使うと混乱しません。

最後に、検索と置換機能についても紹介しました。

入力ばかりに気を取られますが
修正機能はとても重要です。
最初から完璧な文章が書ける人なんていませんからネ。

「文章を書く」という作業の1/3は、修正や推敲作業です。
だから、ここが効率アップすれば、
それだけで、あなたの文章作成時間が、ものすごく短くなるでしょう。

続いて、「Part7. 色々な種類の文字を入力する」に進みましょう。

日本語キーボードの歴史 その1

ここから、Part7の始まりです。
色々な種類の文字を入力する方法を説明していきましょう。

キーボードは、最初から今みたいになっていた訳ではありません。
パソコンの性能向上に合わせて、少しづつ進化してきたのです。
その進化につき合ってみれば、しごくまっとうな機能向上なのです。
そこで、キーボードの歴史を少したどってみるコトにしましょう。
ややこしいキーボードも、足跡を追えば、もっと理解できると思います。

まずは1970年代、
パソコンが初めて登場した頃までさかのぼりましょう。

1977年、はじめてパソコンが登場しました。
インベーダーゲームとほぼ同年代。
ファミリーコンピュータが登場するちょっと前です。

LSIという同じテクノロジーの産物なので、
この頃はこういうモノが次から次へと登場しました。
しかし、まだパソコン(パーソナルコンピュータ)という用語は
定着していませんでした。
マイコンブームと呼ばれていたんです。

最初に登場したパソコンのひとつに
アップルコンピュータ社のApple][がありました。
アップルは、いまiPhoneやiMacを作っている会社ですね。
このApple][、だいたいファミコンと同じくらいの性能でした。

Apple][ こんなでした

Apple][には、最初からキーボードがついていました。
英語タイプライターと同じように使います。
アメリカ生まれの製品だったので、
これはとても自然なコトだったんです。
現在のアメリカのパソコンでも同じですよネ。
最初からタイプライターと同じなので、
アメリカ人は、新しいコトをわざわざ勉強しなくても
そのままパソコンで、キーボード入力ができるのです。

日本語キーボードの歴史 その2

apple][の登場のすぐあとに、
日本製のパソコンが発売されました。
NECのPC-8001です。
(マイクロソフト社のBASICが搭載されてました)
これは英語だけなく、
ちょっとだけ日本語が表示できるようになってました。
といっても、本当にほんのちょっとだったんです。

今のパソコンは、とっても高性能ですよね。
画面サイズも、1024×768ピクセルなんていうのが
すっかり当たり前になりました。

ピクセルというのは、画面を構成するマス目のコトです。
1024×768ピクセルというコトは、
横に1024個・縦に768個のマス目が
並んでいるコトになります。

さて、25年前のパソコンでは、こんな性能は求めようがありません。
画面サイズも、160×100ピクセルで8色なんて言うのが精一杯でした。
一文字の大きさは、8×8ピクセルで、
80文字x25行がなんとか表示できました。
(計算すると数字が合いませんが、 こんなふうな回路になっていました)

8×8ピクセルでは、ひらがなや漢字は表示できません。
できなくも無いんですけど、文字数が膨大に増えるので
当時のパソコンには収録できませんでした。
そこで、表示できるのは英数字とカタカナだけになったのです。

このカタカナを入力する時は
キーボードの[カナ]キーを押しました。
こうすると、カナモードになって、
キートップに印字してあるカタカタが入力できたのです。
キ-トップの右側にある文字です。
カナモードの間は、英数字は入力できません。
もう一度、[カナ]キーを押すと、通常の入力に戻りました。

現在のパソコンにも、[カナ]キーの名残があります。
日本語入力のツールバーで
右下の”KANA”をクリックすると、カナモードになります。

パソコン初心者は、
何かの拍子に、 このキーを押してしまって
「カタカナしか出なーいッ」なんて事がありますが
それは、こう言うことだったのです。

日本語キーボードの歴史 その3

1982年、PC-9801が発売されました。
16bitパソコンの登場です。
今から、ちょうど20年前のコトです。

NEC PC-9801

この頃から、パソコンの性能が高くなって
「ひらがな」と「漢字」が表示できるようになりました。

従来のパソコンでは、性能が低くて、
英数字とカタカナしか表示できませんでした。
それが、16bitパソコンで「ひらがな」と「漢字」が
表示できるようになったのです。

「ひらがな」と「漢字」は、複雑な形をしているので
8×8ピクセルでは描くのが大変です。
そこで、32×32ピクセルで表示するコトにしました。
これなら、漢字の細部も、それほどつぶれずに済むのです。
このとき、従来の英数字とカタカナは
半分のサイズの16×32ピクセルで表示しました。

ひらがな・漢字の半分のサイズなので、
これを、「半角英数字」「半角カタカナ」と呼びました。
32×32ピクセルの普通の文字は、「全角ひらがな」と呼んでいます。
そして「全角ひらがな」には、漢字も含まれています。

この名前、どこかで聞いたコトありませんか。

実を言うと、
全角ひらがなには、カタカナと英数字も含まれています。
32×32ピクセルで描かれた全角カタカナと全角英数字があるのです。
ずいぶんややこしいですネ。

現在のWidowsパソコンでは、
文字サイズは問題ではありません。
フォントサイズが、自由に変えられるからです。
だから、パソコン初心者はその違いを、ほとんど意識していませんよネ。

でも、現在のパソコンにも全角と半角は残っています。
これを区別しないと、
今までの文書がキチンと表示できないからです。
ややこしいですけど、ちゃんと区別しておきましょう。

日本語キーボードの歴史 その4

PC-9801が登場した頃から、
日本語が表示できるようになりました。
でも、どうやって入力するかは別問題です。
PC-9801の場合は、マニュアルに漢字の一覧表が載っていて
それを見ながら文字コードを直接入力していました。
「阿」と表示させるには、
“88A2″と人間が入力していたのです。
これでは実用になりません。

そこで、現在の日本語入力とよく似た
日本語変換機能が開発されました。
ローマ字かカナを入力すると、
漢字に変換してくれました。

 

ただし、はじめの頃は
アプリケーションの一部になっていました。
日本語変換が、ワープロや表計算ソフトの一部だったのです。
そのために、日本語変換の操作が
アプリケーションごとに異なっていました。
ワープロと表計算で、入力方法が違っていたのです。

そこへ登場したのが
ワープロソフト一太郎です。
一太郎では、日本語入力機能が本体から独立していたので
他のソフトでも、それを利用できました。
つまり、どんなアプリケーションでも
同じ操作で日本語が入力できたのです。

この一太郎の日本語入力ソフトが、
ATOK(エートック)でした。
ATOKの操作方法は、現在の日本語変換機能とほぼ同じです。

このとき登場した「日本語入力」の操作が、
現在も引き継がれています。
そのため、この日本語入力を覚えた人は
ずーっと同じ方法で済んできたのです。
新しい方法が提案されても
それを苦労して覚えるより、
今までの方法を使い続ける方が簡単だったからです。

人間は、いちど覚えた方法は、
なかなか変えたくありませんよネ。
だから、パソコンの性能が上がっても
日本語の入力方法は、ほとんど変わりませんでした。
もしも変えていたら、今までパソコンを使っていたユーザーから
たくさんのクレームが寄せられたでしょう。

多分、これからもそれは同じでしょう。
今、キーボードの使い方を覚えてしまえば
もう新しい方法を覚える必要はないのです。

小文字と大文字、英語の打ち方。

さて、キーボードの動作は、
このキーボードの歴史といっしょに、
機能アップしてきました。

日本語のキーボードは、
Apple][などアメリカのパソコンの英語キーボードに
日本語機能を追加したモノです。

ここで、もうちょっと詳しく
英語キーボードの機能を見ていきましょう。
あなたのパソコンでも
日本語入力をオフにしたり、直接入力にすれば
英語キーボードと同じ働きになりますので
試してみてください。

英語キーボードは、こんなふうです。
キートップに印字してある文字が少ないので
ずいぶんスッキリしています。

実際に入力してみましょう。

[A]のキーを押すと、小文字で”a”と表示されますよネ。
[SHIFT]キーを押したまま[A]キーを押すと
大文字の”A”が入力できます。

これは、他のアルファベットのキーでも同じです。
[SHIFT]キーは、キーボードの左右にありますが、
どちらでも同じように動きます。

10本の指を全部使って入力するタッチタイピングでは、
左にあるキーを大文字にする時には、
右の[SHIFT]キーを押し、
右にあるキーを大文字にする時には、
左の[SHIFT]キーを押します。

上段に[1/!]キーがあります。
今度は、これを押してみましょう。
数字の”1″が入力されました。
[SHIFT]キーを押したまま[1/!]キーを押すと
記号の”!”が入力できます。

英語キーボードは、数字と記号が、
キートップの上下に印字されています。
そのままキーを押すと、下の文字”1″が入力され、
[SHIFT]キーを押しながらだと、上の文字”!”が入力されます。
キーボードの右側に記号のキーがたくさんありますが
これも同じように使います。

数字の”0″には、上の文字が書かれていませんよネ。
ですから、このキーだけ[SHIFT]キーを押しても
何も入力されないのです。

日本語キーボードでは、
この他に「ひらがな」や日本語特有の記号が
キートップの右側に印字してありますが、
これは、あとから追加されたモノなので
そのままでは入力できません。

昔の機械式のタイプライタは、
レバーに文字が刻まれてました。
文字の数だけレバーがあって、
ボタンを押して、そのレバーを紙に叩きつけたのです。
小学校で、ピアノの中をのぞいたコトがありますか。
あんな感じです。
紙とレバーの間には、
カーボン紙のようなリボンが挟まるようになっていて
これで文字を打ち出していました。

このレバーには、”A”と”a”の2つの文字が刻み込んでありました。
[SHIFT]キーを押すと、このレバーの位置が少しずれて
大文字の”A”と小文字の”a”を打ち分けていたのです。
レバーをずらす(シフト)させるから、[SHIFT]キーなのです。

補足

本当を言うと、英語キーボードと日本語キーボードは
違うトコロがいくつかあります。

特に、記号については、キーの配置が少し違っています。
(日本語キーボードはJIS配列、英語キーボードはASCII配列)
また、メーカーや製品によって
外側に配置された特殊なキーの配置が違っています。
デスクトップパソコンとノートパソコンでも違います。

でも、アルファベットの位置は同じだし、
[SHIFT]キーで大文字になる動作も同じなので、
この連載では、同じモノと説明しています。

キートップの刻印。

キートップに刻印された記号は、
25年前のパソコンから変化していません。
だから、普通に英語を打つ場合と、
カナモードの使い分けができれば
数字と記号が入力できるようになります。

キーをそのまま押すと、左下に刻印された文字が入力されます。

最上段のキーを見てください。
数字と記号が並んでますよネ。
これらのキーをそのまま押せば、
数字の1~0を入力できます。
さらに、3つの記号 -(ハイフン)・^(ベキ)・\(エン)も入力できます。


最上段の数字は、SHIFTなしで入力

キーボードの右側には、記号キーがかたまっています。
これらも、そのまま押すと、
左下の記号が入力されます。

こっちの記号も、そのまま入力

一番右下にある”\”(バックスラッシュ)だけは、ちょっと例外です。
このキーを押しても”\”(エンマーク)が入力されます。

[SHIFT]キーを押したままで、他のキーを押すと
左上の刻印の文字が入力されます。

[SHIFT]キーを押しながらだと、左上の記号を入力

この際ですから、どんな記号があるか、
ある程度覚えてしまいましょう。
でも、全部を丸暗記する必要はないと思います。
だいたいの場所がわかれば、
いつでも探し出せるからです。

『』や句読点など、
日本語でよく使う記号は、
右側に刻印されているので、カナモードで入力します。
でも、ローマ字入力を利用している人にとっては
カナモードにいちいち切り替えるのは面倒ですよね。
そこで、日本語変換を利用するのです。
これなら、日本語の記号がスムーズに入力できます。

ただし、これらの技術は
元々スッキリした形で開発された訳ではなく
古い技術に接ぎ木するように発展してきたので
ほうぼうギクシャクしています。

パソコンの文字に、全角(ぜんかく)と半角(はんかく)がある理由。

先ほど「日本語キーボードの歴史」の「その2」で説明したように、
PC-9801の頃から、パソコンでも
漢字やひらがなが入力できるようになりました。
同時に半角文字に全角文字が追加されました。

それが今でも残っています。

パソコンで入力する文字には
全角と半角の2種類があります。
もう一度、前回の一覧表を見てみましょう。
ひらがなと漢字は、全角しかありませんが
英数字とカタカナは、全角と半角の両方があるのです。

全角と半角の違いは、入力する手段の違いではなく
入力された結果の違いです。
キーボードの仕組みとは、直接には関係ありません。

コンピュータの内部で、文字は番号に置き換わります。
モールス信号のような、単純なパターンになっているのです。
(このような番号を文字コードと呼びます)
例えば「あ」という全角ひらがなは”82A0″に、
「阿」という全角の漢字は”88A2″という番号に
置き換わります。
「あ」という文字を入力すると言うことは
“82A0″という番号を入力するコトなのです。

カタカナと英数字の場合を見てみましょう。

カタカナと英数字の文字コード

全角の文字は、全て4桁の番号に置き換わりますが
半角の場合は、2桁の番号になっていますネ。
つまりコンピュータの内部では、
全角と半角を、全く異なる文字として処理しているのです。

何だか、難しい話題になってきましたネ。
キーボードの歴史を思い出してください。

最初の英語キーボードには、英語しかありませんでしたよネ。
だから、英語の大文字と小文字に、
数字といくつかの記号を加えても
2桁の番号で充分に表現できました。

そこへ、何とか日本語を表示できるようしました。
カナだけなら50文字を追加すれば済みますから、
2桁の番号の中に何とか収まりました。
ひらがなよりも、文字の形がシンプルだったので
カタカナが選ばれました。
こうして、カタカナモードが誕生したのです。

さらにパソコンの性能が上がって
ひらがなや漢字も表示できるようになりましたが
漢字だけで何千文字もあるのですから
2桁の番号では収まるはずがありません。
そこで、番号を4桁に増した全角文字が登場したのです。

キーボードの歴史と文字コードの関係

このように、全角と半角は
コンピュータの内部では、まったく異なるモノですが
普段は、自由に混ぜ合わせて使うことができます。
実際に使っていても、
全角と半角の違いを意識するコトは
あまりありませんよネ。

でも、幾つかの場面では、
この2つをちゃんと使い分けなくちゃいけません。

まずインターネットでは
半角カタカナは使えません。
メールの文章に半角カタカナが混じっていると
正しく送れず、文字が化けてしまうのです。
ホームページの掲示板に書き込む場合も
文字化けします。
これは、インターネットが、
半角カタカナの2桁の番号を無視するからです。

「自分は日本語しか使わないから、全角ひらがなだけで良いヨ」
そんな人もいるかも知れませんが
残念ながらそうは行きません。
日本語しか入力しない人でも
メールアドレスやパスワードなど
英数字を入力するコトはありますよネ。
こういう場合、コンピュータが受付けるのは
半角英数だけです。
間違って全角英数で入力してもはじかれてしまいます。

では、全角と半角をどんなふうに使い分けると良いでしょう?
私の提案はこうです。

カタカナ
半角カタカナは使わない
必ず全角カタカナを使う

英数字
英数字は、必ず半角を使う
こちらは、全角英数を使わない

日本語入力機能で、打ち分けるコトができます。
日本語入力のツールバーで切り替えるのです。

日本語入力を切り替えて
半角英数にすると、キートップの左側の文字が入力されます。
このとき、文字の種類は半角英数字になります。
数字や”!,-,¥”などの記号も
半角英数字です。

もっと簡単に、全角と半角を打ち分ける方法もありますが
それは後ほど説明します。
まずは、全角と半角を区別するコトから始めましょう。

ワープロなら、フォントにMSゴシックを選ぶと
この違いがはっきりわかりますヨ。

日本語の記号を入力したい。

日本語変換を使ってローマ字で入力する場合は、
カナモードではなく、英語モードで入力しています。
キートップの左側の刻印しか見ていないのです。
だから、日本語変換をオンにしたまま数字キーを押すと
そのまま数字が入力されます。
[1/!]キーを押すと、”1″と入力されるんですね。

同じく、日本語変換をオンにしたまま
[SHIFT]キーを押しながら、数字キーを押すと
左上の文字が入力されます。
[SHIFT]+[1/!]キーで、”!”が入力されます。

日本語で伸ばす音(長音)の記号に、横棒”ー”を使いますよね。
この記号は、数字の”0″の右側にあります。
キートップの左下に書いてあるので
そのまま押せば、入力されます。

これには、いくつか例外があります。
日本語で良く使う記号があるからです。
句点”。”や読点”、”や括弧”「」”など、
しょっちゅう使いますよネ。

これらの記号は、キートップの右上に表示されているので
本来ならカナモードで入力するのですが、
日本語変換がオンの時は、
カナモードでなくても、
[SHIFT]キーを押さなくても入力できます。
次の5つのキーです。

この5つのキーは、日本語変換オンだと
右上の日本語の記号を入力だネ

句読点については、
第3章「ローマ字を入力しよう」でも紹介しましたネ。

さて、これらのキーには、
さらに変則的です。
[SHIFT]キーといっしょに押すと
左上の記号が入力されるのです。

[SHIFT]キーを押しながらだと
左上の記号を入力なんだ!

[SHIFT]キーといっしょに押す場合は
あくまで左上の文字が入力されるのです。

では、左下の文字を入力したい時には
どうすればいいでしょう。
その場合には、ファンクションキーを使います。

ファンクションキーで切り替える。

日本語変換では、
英語とカナ、半角と全角を
ファンクションキーで切り替えます。
ファンクションキーというのは、
キーボードの上部にある
[F1]~[F12]キーのコトです。

キーの割り当ては、次のようになっています。

例えば、「あいうえお」(aiueo)と入力してから
[F7]~[F10]キーを押すと、次のように変換されます。

ファンクションキーで文字が変わる

 

ファンクションキーを使った変換の特徴は、
入力した後に変換内容を決める点にあります。
入力する前に、英数字とかカタカナに
切り替えるのではありません。
こうすると、文章を入力しながら
途切れることなく、日本語とカタカナと英語を入力できるのです。

入力の前に種類を決める方法だと
何度もモードを切り替えなくちゃいけません。
モードを元に戻すのを忘れるコトもあるでしょう。
後から種類を決める方法だと
切り替え操作が、ぐっと少なくなるのです。


入力前と入力後の回数の違い

もっともカタカナの場合は
日本語変換が外来語を見分けて
自動的にカタカナにしてくれるので
あんまり心配しなくても良いかも知れません。
(でも、人の名前とか固有名詞は、
やっぱり自分で変換しなくちゃいけない)

Part5で、カタカナと英語の変換方法を紹介しました。
あの時も、このファンクションキーを使っていました。
文章を入力する時には、
全角カタカナと半角英語だけ使うのが良いと思います。
そのため、使うのは[F7]キー(全角カタカナ)と
[F10]キー(半角英語)だけになります。

ファンクションキーで目的の文字に変換したら、
日本語変換の途中ですから、
[Enter]キーで確定しましょう。

さて、前回の宿題もコレでわかったと思います。
日本語変換を使って
キートップの左下の記号を入力するには
[F10]キーで、半角英数に変換するのです。

キーを押してから[F10]キーを押すと
左下の記号が入力できるヨ

練習問題

では、久しぶりに
ちょっと多めの練習をやってみましょう。
以前に登場したカタカナと英数字の文章です。

No 問題
1 ここすうかげつのきょうどうせいかつは
ここ数ヶ月の共同生活は
2 ほーむずがいうほどにひまだったわけではない。
ホームズが言うほどに暇だったわけではない。
3 このきかんにつけたのーとをめくってみれば、
この期間につけたノートをめくってみれば、
4 ぜんだいとうりょうむりろのぶんしょじけんがおさめられているし、
前大統領ムリロの文書事件が収められているし、
5 あのおらんだきせんふりーすらんどじけんという
あのオランダ汽船フリースランド事件という
6 しょうげきてきなじけんもある。こうしゃのじけんでは、
衝撃的な事件もある。後者の事件では、
7 われわれまであやうくいのちをおとしそうになったのだ。
我々まであやうく命を落としそうになったのだ。
8 sendmailのてんそうきのうはつかえない。
Sendmail の転送機能は使えない。
9 snarkはねっとにつないでないときも
snark はネットにつないでないときも
10 IPあどれすもこていされてないからね。
IP アドレスも固定されてないからね。
11 SLIPせつぞくけいゆでてをのばして、
SLIP 接続 経由で手をのばして、
12 めーるをろーかるましんにひっぱってきてくれる
メールをローカルマシンに引っ張ってきてくれる
13 そんなそふとがほしかったわけだ。
そんなソフトがほしかったわけだ。
14 そういうそふとがあるのはしっていたし
そういうソフトがあるのは知っていたし
15 そのほとんどが POPーPost Office Protocol
っていう
そのほとんどが POPーPost Office Protocol っていう
16 かんたんなあぷりけーしょんぷろとこるをつかってることもしってた。
簡単なアプリケーションプロトコルを使 ってることも知ってた。
17 そして、たしかにlockeのBSD/OSには、
そして、確かに locke の BSD/OS には、
18 ちゃんとPOP3サーバソフトがふくまれているではないの。
ちゃんと POP3 サーバソフトが含まれているではないの。


このボタンを押すと、入力した内容をすべて消します。
もう一度、はじめから練習したい時に押しましょう。

著者名 : ドイル、アーサー・コナン
(アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle)
訳者名 : 枯葉
書籍名 : ノーウッドの建築家
原本 : “The Return of Sherlock Holmes”所収 “The Adventure
of the Norwood Builder”
底本の親本 :
入力者名 : 枯葉
校正者名 :
著者名:レイモンド・エリック・S
(エリック・S・レイモンド Eric S. Raymond)
訳者名: 山形浩生 YAMAGATA Hiroo
書籍名:伽藍とバザール
原本:The Cathedral and the Bazaar
1999/07/30版、1999/08/16訳更新, 2000年5月2日更新

キーボードにない記号は。

パソコンでは、色んな文字を使います。
そのため、たくさんの文字が入力できるようになっています。

すでに紹介したように、初期のパソコンには表示できない文字がありました。
そんな文字を入力する方法もありませんでした。
それが、少しづつ使える文字が増えていって
現在では、普段使うほとんどの文字を扱えるのです。

キーボードと日本語変換を使うと、これらの文字がほとんど入力できます。
キートップに刻印された文字なら、キーボードで入力できますし、
「ひらがな」や「カタカナ」「漢字」は日本語変換で入力できます。

では、キーボードにない記号はどうすれば良いでしょうか。
これも、日本語変換で入力できます。
例えば「※」マーク。これは”こめ”(kome)と入力して変換すれば良いのです。

記号は、日本語変換で入力ネ

.

このように、その記号の読みを入力して、日本語変換で変換すれば
色々な記号を呼び出すことができます。

もう少し例を見ていきましょう。

書類を使うときには、「2~3日」なんて書きますよネ。
この「~」は、”から”(kara)で入力します。

この他に、”℡”(でんわ)・”(株)”(かぶ)・”〒”(ゆうびん)なんて記号が入力できます。

また色んな種類のカッコは、普通のカッコ”「」”から変換します。
これは、”かっこ”(kakko)と入力して変換してもOKです。

これは全角のカッコ

数字で、①②③なんて表示したい場合は、
数字を入力して変換します。
例えば、”1″を変換すると”①”になるのです。

これも全角の数字だヨ

.

文章の先頭に、マルや四角を書きたいときは、
そのまま”まる”(maru)を変換すれば「●」や「◎」「○」が入力できます。
“しかく”(sikaku)を変換すれば、「■」「□」「◆」が入力できるのです。

また、難しい漢字も読み方を知っていれば簡単です。
例えば、同じ漢字を繰り返す記号「々」をどうやって入力しますか。
これは、”うんぬん”(unnunn)とか”ひさびさ”(hisabisa)と入力して
それを漢字に変換してから、余分な文字を消すのが手っ取り早いです。

で、余分な漢字を削除する

文字の種類まとめ。

このPartでは、キーボードの使い方を詳しく説明してきました。
発展の歴史にそって細かな機能まで説明したので、
細かすぎて、ちょっとややこしかったかも知れませんネ。
そこで、現実的な使い方に合わせて整理してみましょう。

まずパソコンでは、キーボードと日本語変換を組み合わせて
色んな文字を入力するんでした。
この時、キートップの左側に印字された英語を見ながら
入力していきます。
ローマ字変換では、右側はあまり使いません。
日本語変換は、読みとったローマ字を漢字やひらがなに変換します。

だから、キーボードの動作と、日本語変換の働きの両方を
理解しなくちゃならないんです。

入力と変換の流れは、結局こーいうコト

数字や記号は、キートップの刻印どおりに入力されます
この時、そのままキーを押すと、
キートップの左下に表示された文字が入力できます。
[SHIFT]キーといっしょに押すと、左上の文字が入力できます。

数字は、キーボードの一番上段にありますネ。
[1/!]キーをそのまま押すと、数字の”1″が入力されます。
[1/!]キーと[SHIFT]キーを同時に押すと、”!”が入力されるのです。

よく使う記号の位置を確認しておきましょう。
記号は、最上段か右側に固まっています。
完璧に覚えなくても、だいたいの位置がわかれば
探し出すのが、ものすごく早くなりますヨ。

キーボードのカナモードは、めったに使わないので、
キートップの左側ばかり見ていけば、済むコトになります。

これには、ちょっとだけ例外があります。
キーボードの右手側にある日本語の記号を入力する場合です。
次の5つ記号は、日本語変換がオンになっていると
キートップの右上の記号が入力できます。
英語モードでもそのまま入力できるのです。

日本語変換オンで、この記号はそのまま入力

さて、パソコンで扱う文字には、全角と半角の違いがありました
同じ英数字・カタカナでも、2種類の文字があるのですが、
英数字は必ず半角に、カタカナは全角にするのが良いでしょう。
[F7]~[F10]キーを使うと、英数字やカタカナに一発で変換できます

カタカナは全角に、英数字は半角がおススメ

さきほど、日本語記号に5つの例外がありましたよね。
この5つは、キートップの右側に印字されていますが、
日本語変換がオンになっていても、そのまま入力できました。

同じキーで、左上側にある記号を入力するには、
[SHIFT]キーといっしょに押します。
例えば、”?”を入力するには、
[?/め]キーを[SHIFT]キーといっしょに押すのです。

日本語変換オンでも、[SHIFT]キーでこの記号を入力

同じキーの左下の記号を入力するには、
そのキーを押した後で、[F10]キーを押して半角英数に変換します。
例えば、”/”を入力するには、
[?/め]キーを押した後で、[F10]キーを押すのです。

こっちは、そのキーを押した後で[F10]キーで変換

キーボードにない記号を入力するには
その記号の読みを、そのまま入力して変換します。
“※”マークは、”こめ”(kome)と入力するのです。
この他にも、”℡”(でんわ)・”(株)”(かぶ)・”〒”(ゆうびん)
なんて記号が入力できます。
“々”は、”云々”(うんぬん)と入力してから、
余分な文字を削ってやりましょう。

ちなみに、こういうキーボードにない記号は、すべて全角漢字です。

このような色々な記号の入力方法は、どうしてもややこしくなりがちです。
でも最初から、全部を身につける必要はありません。
自分が使いそうな記号から順番に覚えていけば良いでしょう。
ローマ字の組み合わせと同じように、
いつでもカンニングできるように準備しておけば良いのです。

[F7]~[F10]キーは頻度が高いので、
キーボードにシールを貼るのも良いですネ。
あとは、色々な文章をたくさん入力しているうちに
徐々に身について行くはずです。

では、続いて、「Part8. 日本語入力の仕組み」に進みましょう。

カーソルが文字入力の中心です。

このPart8では、日本語入力の仕組みについて、
ほんの少し説明します。

さて、Part3で、AIUEOを使って
キーボードの基本動作を学びました。

キーボードは、キーを押すとその文字が入力されましたネ。
文字は、カーソル(ピコピコ点滅している縦棒)のトコロに表示されていきます。
ワープロの場合は、いつもカーソルが表示されているので
いつでも文字が入力できます。

メールを書くときやホームページで入力する場合は、
その場所をマウスでクリックすると、カーソルが表示されます。

文字を表示すると、カーソルは、その文字の後ろに移動します。
ですから、いつでも文末に文字が入力されることになります。

「文字入力は、カーソルがポイント。
カーソルの動きに注目してネ 」

さて、キーボードで文字を入力するときには、
このカーソルが中心になります。

文章の途中の文字を消したいときには、カーソルを移動してやりました。
[←](左矢印)キーを押して
消したい文字の後ろまで来たらストップです。
通り過ぎてしまったら、[→](右矢印)キーで戻りましょう。
ここで[BackSpace]キーを押すと、カーソルのひとつ前の文字が消されます。

途中の文字をまとめて消したいときには、
その言葉の前にカーソルを合わせるのではなく、後ろに合わせてやりましょう。
[BackSpace]キーは、後ろから順番に文字を消していくからです。
ついついカーソルを前に合わせたくなりますが、
これだと正しい文字を消してしまいます。

とにかく文字入力の中心は、いつでもこのカーソルなのです。
このカーソルの働き、ちょっとややこしいですね。
でも文字を入力するときは、ずーっとカーソルに注目していると、
失敗が少なくなりますヨ。

カーソルの動作を解説してみる。

文字入力は、カーソルを中心に働きます。
この動きを理解するため、一匹の猿を思い浮かべてみましょう。
名前は”かあサル”。

ダジャレでスミマセン。

この猿は、キーボードから受け取った文字を1文字づつ並べていきます。
文字を並べたら、自分はそこによじ登って、最後尾にぶら下がります。
次の文字を受け取ったら、一番後ろにくっつけて、また最後尾に移動します。


かあサルは、文字を並べて最後尾へ

 

[BackSpace](バックスペース)キーを押すと、
かあサルは、自分の前にある文字を捨ててしまいます。
最後尾にいるときは、一番最後の文字が消されるコトになります。


[BackSpace]キーが押されると、最後尾の文字を捨てる

 

[←]キー(左矢印)キーを押すと、猿は文字の上を左に移動します。
1回キーを押すと、1文字分移動します。
その位置で[BackSpace]キーが押してみましょう。
[BackSpace]キーで自分の前にある文字を捨てるのですから、
その位置の文字を消して、空いた隙間はかあサルがくっつけてしまいます。


[←]キーで移動したら、 [BackSpace]キーで
その位置の文字を消して隙間を詰める

さらに、その場で文字を入力してみましょう。
かあサルは、その場に文字をはさみ込んで、
自分は、挿入した文字の後ろに移動するのです。


かあサルを移動しておいて文字を入力すると
その位置に文字を並べて、後ろに移動する。

こうやって考えると、文字入力の動作がわかりやすいでしょ。
かあサルとカーソルが同じ動きになっているのは、言うまでもありません。

 

[おまけ] カーソルの語源

カーソル(Cursor)というのは、
もともと計算尺についていたガイドラインのコトだそうです。
いまどき計算尺なんて聞いても大半の人が知らないので
何のことだかさっぱりわかりませんけど・・・

計算尺はモノサシのような形の手動計算器で、透明なスライダが付いていて
そこ赤い細線が引いてあります。
この細線がカーソルで、これを目盛りに合わせて、計算結果を読みとります。

文字入力の基礎は、ずいぶん昔(1970年代)に開発されたので
当時の技術屋にはピンときたのでしょう。
でも、色んな用語がのっている分厚い英和辞典を調
べても
「パソコンで文字入力を即す点滅する縦棒」なんてことしか書ありません。
結局、パソコン用語にだけ残っているのでしょう。

日本語変換の動きを説明してみる。

キーボードの基本動作では、押されたキーをカーソルが受け取り、
文字として表示するのでした。
日本語変換がオンになっていると、押されたキーの情報は
いったん日本語変換が受け取り、”ひらがな”に変換してから
カーソルに渡します。

かあサルと、日本語変換サルがいっしょに仕事してる姿を想像してください。
日本語変換がオンになっている間は、
かあサルの前に日本語変換サルが割り込んでいるのです。
キーを押すと、その文字を変換サルが受け取って、ひらがなに変換します。
そして[Enter]キーを押すと、それらの文字をまとめて、かあサルに渡します。
これが確定です。

この様子は、そのまま文字入力欄に表示されるので、
私たちも見ることができます。
文字の下に点線が表示されている間は、変換サルが文字を持っています。
[Enter]キーで確定すると受け持ちが変わるので、
文字の下の点線が消えるのです。

[Enter]キーを押すタイミングによって、
文字の受け持ちが交替するのがポイントです。
文字キーが押されてから[Enter]キーが押されるまでは、
変換中なので変換サルが仕事をしています。
[Enter]キーを押して確定すると、その文字は、
かあサルの受け持ちになるのです。

キーボードの基本操作は変わりませんが、あいだに日本語変換が入ることで、
英数字を日本語に変換しているコトがわかりますか?
このおかげで、特殊なキーボードを使わなくても日本語が入力できるのです。

日本語の修整方法。

キーボードの基本動作では、[BackSpace]キーと
[←]キーを利用して、入力間違いを修正しました。
[BackSpace]キーは文字を消し、[←]キーはカーソルの移動です。
日本語変換がオンの時も、この動作は変わりません。
日本語変換は、キーボードの基本動作に追加の形になっているので、
こういうトコロは共通なのです。

次のようなの例で確認してみましょう。
“あいうえお”と入力したつもりが、”あいいうえお”となっていたのです。
“い”が1文字多くなっていますネ。

まず、[Enter]キーで確定しちゃった場合を考えてみましょう。
“あいいうえお”の下の点線は、もう消えています。
こういう場合は、英数字の”aiueo”と同じです。
[←]キーでカーソルを移動し、[BackSpace]キーで文字を消します。

 確定後は、かあサルが受け持ち
同じ基本動作で修整できる

文字を確定した後は、かあサルの受け持ちになっていますから、
[←]キーや[BackSpace]キーの働きは、まったく同じです。
英数字(aiueo)とひらがな(あいうえお)で違いはありません。
日本語変換がオンになっていても、特に変換中の文字がなければ
確定済みの言葉を修整することになるのです。

今度は、確定前の修整を考えてみましょう。
[Enter]キーで確定する前に間違いを見つけた場合も、基本動作と同じです。
[←]キーで移動して、[BackSpace]キーで文字を消します。
[←]キーを押すと、変換中専用のカーソルが登場するので、
これで文字を修正するのです。


確定前は、変換サルの受け持ち
同じ基本動作で修正できる

日本語変換の最中に[←]キーか[BackSpace]キーを押すと、
この確定前の文字を修正できます。
でも確定前の文字は、かあサルではなく変換サルの受け持ちです。
ですから、確定前の修整は、
この変換ザルが持っている文字の修正になります。

この例では見かけの動作は変わりませんが、
確定前と確定後では受け持ちが違っています。
そのため、 もう少しややこしい例だと、修整の動作が微妙に違ってきます。